JERA、米ベンチャー・グローバルとLNG売買契約締結

(米国、日本)

ヒューストン発

2023年05月01日

日本の発電会社JERAは4月28日、米国ベンチャー・グローバル・LNG(本社:バージニア州アーリントン)のグループ会社、ベンチャー・グローバル・CP2・LNGとの間で、液化天然ガス(LNG)売買契約を締結したと発表した。

JERAはこの契約に基づき、ベンチャー・グローバル・CP2・LNGが推進する米国CP2 LNGプロジェクトの商業運転開始から20年間、同プロジェクトで生産されるLNGをFOB(本船渡し)で年間約100万トン購入するとしている。

発表によると、昨今のエネルギーを取り巻く情勢は大変厳しく、欧州の急激な需要増など、LNGを巡る調達競争が激化しており、日本のエネルギー安定供給の確保に向けて、国内の電力需給に合わせた安定的なLNGの調達が求められているとしている。同契約の引き渡し条件は仕向け地制限のないFOBで、柔軟なLNG調達が可能となることから、国内の電力需給の変動への対応力の向上が期待できるという。

JERAは米国でエネルギーの安定供給や脱炭素化に向けた取り組みを進めており、2022年5月にマサチューセッツ州とメーン州での火力発電事業の権益取得(2022年5月16日記事参照)、10月にクリーンエネルギー供給基盤構築に向けた米国インタートラスト・テクノロジーズへの出資(2022年10月13日記事参照)、11月に日本郵船、商船三井と燃料アンモニアの輸送での協業(2022年11月28日記事参照)、12月に英国ゼノベとの米国蓄電池事業の共同開発で提携(2022年12月19日記事参照)をそれぞれ発表した。2023年1月には米国CFインダストリーズとブルーアンモニア製造・燃料アンモニア調達で提携(2023年1月19日記事参照)、3月には米国シェブロンと米国やオーストラリアでのCCS事業で提携(2023年3月8日記事参照)を発表した。

(沖本憲司)

(米国、日本)

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