山東省、質の高い発展推進に向けた政策リスト発表

(中国)

青島発

2023年05月15日

中国の山東省政府は5月4日、「実体経済の質の高い発展促進に関する実施意見および2023年における『安定的に良い方向へ向かい(穏中向好)、発展をしながら品質を向上させる(進中提質)』政策リスト(第3回)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。これまで2022年12月31日に第1回リスト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、2023年2月5日に第2回リスト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが発表されていた。

第3回リストでは、全体目標として、実体経済の質の高い発展を促進させる政策システムを整備し、2023年末までに年間で「専精特新」(注1)の中小企業1,000社、ハイテク企業2,000社を新たに増やし、製造業の付加価値、ハイテク産業の生産額、デジタル経済のコア産業が付加価値総額に占める割合を着実に増加させることなどを掲げた。

2025年に向けては、現代化された産業システム構築の加速、産業基盤の高度化、産業チェーンの現代化レベルの大幅な向上、「四新」(注2)分野の付加価値が同省GRP(域内総生産)に占める割合の40%への到達、「十強産業」(注3)における世界レベルの優れた産業クラスター育成などといった目標を掲げた。

第3回リストでは、上記の全体目標の達成に向けて、7分野25項目からなる重点政策リストを設定した(添付資料表参照)。同リストには新たに「グリーン・低炭素の発展レベルの向上」という分野を設定し、その中では「環境配慮型システムの完備」や「クリーンエネルギー・低炭素発展の促進」といった方針が項目で示された。この実現に向けて、2025年までにグリーン工場を500カ所、グリーン工業団地を20カ所建設する、グリーン製品の共有能力の向上と市場への影響力を強化する(2023年4月24日記事参照)、2025年までの同省内の新エネルギーを用いた発電規模を1億キロワットまで押し上げるといった具体的な目標を設定した。

(注1)専門性を有し、精密な技術力を持ち、差別化された、革新的な中小企業を指す。

(注2)新技術、新産業、新業態、新モデルを指す。

(注3)山東省政府が産業の発展に注力している次世代情報技術産業、ハイエンド設備産業、新エネルギー産業、新素材産業、現代海洋産業、医療・養老介護・健康産業、ハイエンド化学工業産業、現代高効率農業などを指す。

(赤澤陽平)

(中国)

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