ロシア政府、サハリン2シェル保有分のノワテク取得を承認

(ロシア、日本)

欧州課

2023年04月17日

ロシア政府は4月11日、石油ガス採掘事業「サハリン2」の権益の約27.5%を地場独立系ガス大手のノワテク子会社に売却することを承認した。12日に公表された連邦政府指示第890-r号で明らかになった。同権益は英国のシェルが保有していたもので、同社はロシアのウクライナ侵攻直後に撤退を表明していた。

政府指示によると、権益の27.49999998621683%が948億ルーブル(約1,517億円、1ルーブル=約1.6円)でノワテクの子会社「ノワテク・モスクワ州」に売却される。

サハリン2の権益はもともと、地場ガス最大手のガスプロムが50%プラス1株、英国石油大手シェルが27.5%マイナス1株、三井物産が12.5%、三菱商事が10.0%保有していた。しかし、2022年2月のロシアによるウクライナへの侵攻直後にシェルがサハリン2などのガスプロムとの合弁事業を解消する考えを表明した(2022年3月1日記事参照)。

ロシア政府は西側諸国の制裁への対抗措置として、サハリン2を運営する新会社「サハリンスカヤ・エネルギヤ」を8月に設立、旧運営会社から事業を移管した(2022年7月4日記事2022年8月5日記事参照)。ガスプロムが引き続き権益の50%超を保有したほか、三井物産と三菱商事もそれぞれ持ち分を維持する申請をロシア政府に行い、9月1日までに承認された。シェル保有分が未譲渡として残っていた。

(浅元薫哉)

(ロシア、日本)

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