戦略的保税区域(RFE)における一時輸入滞留期間を2年に短縮

(メキシコ)

メキシコ発

2023年04月28日

メキシコ大蔵公債省は4月25日、2023年の貿易に関する一般規則(RGCE 2023)の第2次改正外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを官報で公布した。同改正では、戦略的保税区域(RFE)(注)での一時輸入滞留の期間が短縮された。従来はRFEにおける貨物の滞留期間が、部品・原材料は60カ月、機械設備はRFE利用認可の有効期限までだったが、今回のRGCE改正(第4.8.2則)では、部品・原材料についての滞留期間が24カ月に大幅に短縮された。なお、一時輸入滞留期間の短縮は、同改正決議の付則第1条I項および第2条に基づき、官報公布日から3カ月後の7月25日以降に搬入された貨物に適用される。

事業者への相談なく当局が決定も、大きな影響はないとの声

政府による一時輸入滞留期間の短縮措置は、2020年7月24日に公示された2020年貿易に関する一般規則(RGCE2020)の第1次改定でも実施されている。同改定では、国税庁(SAT)の企業認定スキーム登録制度(RECE)の1つである、付加価値税(IVA)や生産サービス特別税(IEPS)の保税認定の恩典が大幅に削減された。特に、輸出向け製造・マキラドーラ・サービス業振興プログラム(IMMEX)を活用して、部材を一時輸入する企業の一時輸入滞留期間は、従来の36カ月から18カ月に短縮された(2020年7月28日記事参照)。

ジェトロがRFEの運営事業者2社にヒアリングしたところ、今回の改正は事業者に一切、事前に相談はなかった。しかし、RFE運営事業者2社は、RFEのその他の恩典が維持されているため、RFEを利用するメリットに大きな影響はないとみている。RFEのさまざまな恩典の詳細については、2016年3月1日記事参照

(注)戦略的保税区域(RFE)は、2002年のRFE設置政令、2016年2月の「RFEとその活用スキームを奨励する政令」、RGCE 2023により規定されている。REFは大蔵公債省の認可を得て開設されるが、同認可は2段階制をとる。まず、税関に隣接する指定保税区域(Recinto Fiscalizado)や港湾区域(Recinto Portuario)内、もしくはこれらに隣接する土地について、使用権を有する者にRFE全体の管理運営権が付与される(「運営認可」)。次に、同認可済みRFEにおいて、貨物の蔵置・点検・改装・仕分け・加工・製造・展示などを行う利用者登録が認可される(「利用認可」)。いずれの認可も、1回の有効期間は20年で更新が可能。RFEへの貨物搬入に際して、輸出入関税や相殺関税の支払い、動植物検疫と衛生・環境・公安分野以外の非関税規制やメキシコ公式規格(NOM)の履行が免除される。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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