IMFがモロッコへの50億ドルのFCL融資枠適用を承認

IMF理事会は4月3日、モロッコに対して、非譲渡的融資制度の1つである「フレキシブル・クレジット・ライン（FCL）」の設定を承認したと発表した。融資枠の規模は2年間で約50億ドルだ。IMFは声明の中で、承認の背景として、モロッコ政府の政策実行力や制度的枠組み、経済の基礎的条件（ファンダメンタルズ）、そして将来への継続的なコミットメントを挙げた。

アントワネット・セイエIMF副専務理事は、モロッコは新型コロナウイルスによるパンデミックの影響、ロシアによるウクライナ侵攻や干ばつによる被害などからの経済の回復を遂げ、維持してきたと述べた上で、今回の取り決めが、今後起こりうる世界的な経済・金融環境の悪化、商品価格の変動、干ばつなど、モロッコの対外的なリスクに対するバッファーを強化し、一時的な経済リスクに対する保険となると述べた。モロッコ政府は、今回の措置はあくまで予防的なもので、2年間での終了を目指す意向を示している。

（本田雅英）