3月の消費者信頼感指数が回復、楽観圏内続く
(インドネシア)
ジャカルタ発
2023年04月24日
インドネシア中央銀行は4月11日、2023年3月の消費者信頼感指数(IKK)が123.3ポイントと発表した(添付資料図参照)。前月の122.4ポイントより0.9ポイント上昇した。2021年10月から18カ月連続で、楽観圏内となる100を超える状況が続いている。
支出額別では、月に310万~400万ルピア(約2万7,900円~3万6,000円、1ルピー=約0.009円)を支出する消費者群(126.5ポイント)と500万ルピア以上を支出する消費者群(126.2ポイント)の指数が高かった。一方、100万~200万ルピアを支出する消費者群(112.2)が前月より3.4ポイント低下し、低下幅が全グループで最も大きかった。年齢別では、上昇幅が最も大きかったのは60歳以上の消費者群(124.6ポイント)で、20.7ポイント上昇した。都市別でみると、調査対象の18都市のうち、ジャカルタなど10都市で指数が低下した。一方で、バンテン州バンテンは14.3ポイント増の128.8ポイントと上昇幅が最も大きかった。
現状指数(IKE)(注)は、現状所得に関する指数の上昇などを背景に、前月比0.7ポイント上昇の113.1ポイントだった。6カ月後の期待値を表す期待指数(IEK)は前月比1ポイント上昇の133.5ポイントで、事業活動に関する期待指数の上昇が下支えした。所得に占める消費の割合は、前月の75%から75.7%にわずかに上昇した。
先だってインドネシア中央統計庁(BPS)が発表した3月の消費者物価指数(CPI)の上昇率は前年同月比4.97%で、前月まで6カ月連続で続いた5%台の物価上昇が、7カ月ぶりに4%台となった(2023年4月12日記事参照)。インドネシア経営者協会(APINDO)の経済政策分析委員会の委員長であるアジブ・ハムダニ氏は「物価の安定、特に食料品価格の安定が、インフレの制御および消費の押し上げに効果を持つ」とし、農家の生産性向上や国民の需要を満たす食料品輸入の政策など、長期的な食糧安全保障に政府は焦点をあてるべきだと指摘した(「ビスニス」4月11日)。
(注)現状指数は、所得・雇用などの現在の経済状況に対する認識を表す。期待指数は、向こう6カ月の経済状況に対する見通しを表す。
(尾崎航)
(インドネシア)
ビジネス短信 9d558d1bbd717cf5