米アリゾナ州都フェニックスがあるマリコパ郡、全米最多の人口増加数、国内移住者が牽引

(米国)

ロサンゼルス発

2023年04月10日

米国国勢調査局は3月30日、2022年7月1日現在の郡別の人口推計を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。それによると、アリゾナ州都フェニックスを擁するマリコパ郡が全米で最も人口が増加したことが明らかになった。

2022年7月1日現在、マリコパ郡の人口は455万1,524人で、前年に比べて5万6,831人(1.3%)増加した(添付資料表1参照)。内訳は、自然増7,806人、移住増が4万8,593人(国際移住増1万5,288人、国内移住増3万3,305人)だった。内訳の全米順位を見ると、移住増が1位、中でも国際移住増は10位の一方、国内移住増は1位ということから、マリコパ郡の人口増は、米国内の移住が牽引していることが分かる。

マリコパ郡周辺では、台湾積体電路製造(TSMC、2022年12月8日記事参照)やインテル(2021年9月30日記事参照)、LGエナジーソリューション(2023年3月27日記事参照)など、半導体や電気自動車(EV)バッテリーの先端企業が大規模な投資を行って工場建設を進めており、周辺産業も含め就業機会の拡大が見込まれる。

アリゾナ州の投資誘致機関アリゾナ商業公社(Arizona Commerce Authority)は人口の長期予測を公表しており、マリコパ郡の人口は2030年520万人、2040年576万人、2050年619万人、2060年653万人と、増加傾向が続くと推計している。

なお、今回発表された国勢調査局調査では、カリフォルニア州ロサンゼルス郡の人口が同時期に全米最多の減少(9万704人減)だった(添付資料表2参照)。自然増1万8,288人の一方、移住減が全米最多の10万9,018人、とりわけ、国内移住減が全米最多の14万2,953人に上る。これは、生活コストの高さなどによるとみられる。

民間企業の調査では、生活コストの高い都市として、カリフォルニア州ロサンゼルスなどが挙げられている(2023年3月28日記事参照)。

(注)米国では、連邦政府の下、州(State)、郡(County)、市(City)の三層構造の地方自治体が組織されている。一般的に複数の市が集合して郡を構成している。

(永田光)

(米国)

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