米NY州ホークル知事とジェームズ司法長官、連邦議会の選挙区割り再編成求める法廷助言書を提出
(米国)
ニューヨーク発
2023年04月13日
米国ニューヨーク(NY)州のキャシー・ホークル知事(民主党)とレティシア・ジェームズ司法長官(民主党)は4月7日、2022年の中間選挙を前に再編されたNY州内の連邦議会の選挙区割りについて、次の再編時期までそのまま使用せず、改正するよう求める法廷助言書を裁判所に提出したと発表した。
2022年の中間選挙で用いられた連邦議会の区割りは当初、同年初めに民主党多数の州議会で再編成されたものの、共和党有権者らがこれを共和党候補に不公平な区割りだとして提訴した。NY州の最高裁判所に相当する控訴裁判所はこの当初の区割りについて、選挙区割りに関する州憲法に反するとの判決を出した。その後、裁判所が任命した州外の専門家により区割りが再編成された経緯がある(2023年2月10日付地域・分析レポート参照)。
控訴裁判所は、第一審裁判所の任命により再編されたこの区割りについて、2030年の国勢調査後に再編成される時期まで効力を維持するとした。他方、ホークル知事とジェームズ司法長官は今回提出した助言書で、この決断が誤っていたのではないかと問題提起している。
ホークル知事とジェームズ司法長官は「専門家によって編成された区割りは、2022年の選挙では適切だったかもしれないが、今後、独立した選挙区改定委員会が新しい地図(区割り)を再編するには十分な時間がある」としている。
両氏は区割りを再編すべき理由として、2022年の区割り再編成は中間選挙が間近に迫っていたという事情の下で裁判所が関与することとなったが、当時は、今後(2030年国勢調査後の区割り再編までに)行われる4回の選挙でこの区割りを使用し続けることを義務付けていないことを挙げている。
ホークル知事は発表で「NY州の有権者に対する説明責任と公平性を確保するために、われわれは裁判所に対し、憲法で保護された方法を支持するよう要請する」とした。
ジェームズ司法長官は「説明責任を果たさず、十分なパブリックコメントの時間を設けない方法に頼るのは、われわれが一般市民の参加を募って彼らの関心を保証する方法とは異なる」とし、「私は、選挙の方法に可能な限り透明性を持たせ、憲法に基づいた方法に従うことを保証する」とした。
(吉田奈津絵)
(米国)
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