米国の天然ガス生産量とLNG輸出量は2050年まで増加の見通し、米エネルギー情報局分析

(米国)

ヒューストン発

2023年04月28日

米国エネルギー情報局(EIA)は4月27日、米国の天然ガス生産量と液化天然ガス(LNG)輸出量が2050年まで増加するとの見通しを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。この見通しは、3月16日にEIAが発表した2023年版年次エネルギー見通し外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに基づくもの。

EIAによると、同見通しの標準ケースでは、2022年から2050年までの間に、米国の天然ガス生産量が15%増の42兆1,000億立方フィート(約1兆2,000億立方メートル)、LNG輸出量は2.5倍の10兆立方フィートとなると予測している。なお、このケースは、インフレ削減法(IRA、2022年10月6日付地域・分析レポート参照)を含む2022年11月中旬までに採択された法律などを可能な限り反映したものとされている。

標準ケースでは、2022年から2050年までの天然ガス生産量が、テキサス州とルイジアナ州にまたがるヘインズビル盆地で52%、テキサス州とニューメキシコ州にまたがるパーミアン盆地で50%増加すると予測している。これらの盆地は、テキサス州やルイジアナ州のLNG輸出基地に近いため、LNG需要の拡大とともに天然ガス生産量も増加するとしている。また、天然ガス生産のもう1つの注目点である油井からの随伴ガス生産量は、パーミアン盆地での生産量の増加に寄与するという。

EIAは、世界的な天然ガスの需要増は今後も続くと予測しており、米国にLNG輸出施設を追加建設することは経済的としている。ルイジアナ州の新規液化設備は、予定より早く2022年に完全稼働し、テキサス州の新規液化設備は2025年までに稼働予定という。

なお、EIAは4月11日に、油井から生産される随伴ガスが2050年まで増加するとの見通しを発表し、パーミアン盆地が、2025年から2050年にかけての米国の随伴ガス生産量増加分の約3分の1を占めると予測している(2023年4月12日記事参照)。

(沖本憲司)

(米国)

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