ASEAN経済大臣リトリート、7つの経済的優先事項を採択

(ASEAN、インドネシア)

ジャカルタ発

2023年04月05日

第29回ASEAN経済大臣会合リトリートが3月22日、インドネシア中部のジャワ州マゲランで開催された。同国がASEAN議長国を務める2023年では初の経済閣僚レベルの会合で、ズルキフリ・ハサン商業相が議長を務めた。また、ASEANの11カ国目の加盟国になることが2022年11月に原則承認された東ティモールのホセ・ルーカス・ド・カルノ・ダ・シルバ観光・貿易・産業相がオブザーバー参加した初めての経済大臣レベルの会合だった(3月22日、インドネシア商業省プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

会合では、インドネシアが主導する7つの経済的優先事項(PED)が採択された(ASEAN事務局リリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。7項目は以下のとおり(ASEANIndonesia2023ウェブページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

  1. ASEANのサービス円滑化の枠組み
  2. ASEAN・オーストラリア・ニュージーランド自由貿易地域の設立に関する協定の第2修正議定書の署名
  3. ジャカルタにあるASEAN事務局に、地域的な包括的経済連携(RCEP)支援ユニットを設置
  4. プロジェクトベースのASEAN産業開発
  5. ASEANシングルウィンドウを通じた原産地証明書フォームD電子化の完全な実装
  6. ASEANデジタル経済枠組み協定(DEFA)を開発するためのASEAN首脳による声明
  7. 持続可能な開発目標を支援するためのASEANロードマップ

その他、2023年の自由貿易協定(FTA)の優先事項として、ASEAN物品貿易協定(ATIGA)やASEAN・中国自由貿易協定(ACFTA)の更新、RCEP協定の活用などについて議論した。

また同日には、ASEANビジネス諮問委員会(ASEAN-BAC)との対話も開催され、デジタルトランスフォーメーション(DX)や、持続可能な発展、健康、食料安全保障、貿易と投資の円滑化に集中した議論が行われた。

(尾崎航)

(ASEAN、インドネシア)

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