米成人の8割超が中国に否定的、中ロ関係を9割が深刻視、シンクタンク調査

(米国、中国、ロシア)

米州課

2023年04月13日

米国では成人の8割超が中国に対して否定的な見方を有し、9割が中国とロシアの関係を深刻な問題と捉えていることが米国シンクタンクの調査からわかった。

シンクタンクのピュー・リサーチ・センターは4月12日、米国人の中国への見方などに関する世論調査結果(注)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。それによると、中国を「好ましくない」とみる割合は83%(うち「非常に好ましくない」44%)だった。年代別では、50歳以上で「非常に好ましくない」が半数を超えた(50~64歳:53%、65歳以上:60%)。支持政党別では、共和党支持者の「非常に好ましくない」とする割合が58%と民主党支持者(34%)を大きく上回った。

中ロ関係について、「深刻」とする割合は90%(うち「非常に深刻」62%)だった。キニピアク大学が3月に実施した世論調査では、3月にモスクワで行われた中ロ首脳会談が(2023年3月29日記事参照)、ロシアのウクライナ侵攻を「エスカレートさせる」と66%が回答している(2023年3月31日記事参照)。そのほか、中国と台湾の緊張関係(84%)、中国の軍事力(84%)、中国の人権政策(83%)、中国の成長する技術力(83%)、中国との経済競争(81%)のいずれも、「深刻」とする割合が8割を超えた。回答者のコメントとして、「中国と一緒に何かをするというのは、ほとんど無理で、何か中国と協力するとしたら、おそらく経済的に有益なことでなければならないと思う」(25歳男性)と紹介している。

国際的な課題に対して米国と中国が協力できるかどうかを問うた設問では、国際紛争の解決、気候変動政策、感染症まん延への対策については、「協力できない」とする割合がそれぞれ54%、52%、52%と過半だった。一方で、学生交換プログラム、貿易・経済政策については、「協力できる」がそれぞれ65%、52%と前向きだった。

中国の習近平国家主席が国際問題で正しいことをするかとの問いには、「信頼していない」が77%(「全く信頼していない」47%、「あまり信頼していない」30%)だった。年代別では、50歳以上で「全く信頼していない」が半数を超えた(50~64歳、65歳以上ともに55%)。習国家主席のことを「知らない」とするのは18~29歳で27%と高かった。支持政党別では、「全く信頼していない」が共和党支持者で57%と過半で、民主党支持者は40%だった。

(注)実施時期は3月20~26日、回答者は全米の成人3,576人。

(松岡智恵子)

(米国、中国、ロシア)

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