成都市で「糖酒会」開催、累計来場者数30万人超と活況

(中国、日本)

成都発

2023年04月18日

中国西南部最大の食品・酒類展示会「第108回全国糖酒商品交易会(糖酒会)」(注)が41214日に成都市で開催された。今回は202211月に成都で開催された第106回糖酒会(2022年11月18日記事参照)に続き、成都世紀城新国際会展中心と中国西部国際博覧城の両展示会場で開催された。両展示会場には42カ国・地域から約6,500社の出展があった。期間中の入場者数は両展示会場で合計386,000人と、2022年秋の20万人と比べて大きく増加した。

ジェトロは、酒類をテーマにした成都世紀城新国際会展中心にジャパンパビリオンを出展した。出展は2022年に続いて3回目で、上海市や北京市、遼寧省大連市、広東省深セン市など中国全土から日本酒類インポーターが17社、四川省成都市、重慶市を拠点とする酒類インポーターや卸売業者が6社がそれぞれ出展するとともに、オールジャパンでの取り組みを推進する観点から、北海道、岩手県、長崎県も出展し、計500種類以上の日本産の酒類をバイヤー向けにPRした。

写真 ジャパンパビリオン(ジェトロ撮影)

ジャパンパビリオン(ジェトロ撮影)

写真 出展した日本酒類(ジェトロ撮影)

出展した日本酒類(ジェトロ撮影)

会期中には、来場できなかったバイヤー向けにライブ配信を通じて出展企業や商品の紹介を行ったほか、専門家によるバイヤー向けの「日本酒類知識普及セミナー」を実施した。

写真 ライブ配信の様子(ジェトロ撮影)

ライブ配信の様子(ジェトロ撮影)

出展企業からは、「地元成都のバイヤーだけでなく、内陸を中心に中国各地から酒類の専門バイヤーが訪れた」「初日はこれまでの展示会で経験したことがないほど来場者が多かった。2日目以降もかなりの来場者が訪れたので、有益な商談の機会となった」「日本産酒類は価格が高いことから、特に西南地域では一部の富裕層の嗜好(しこう)品となっているが、今回の糖酒会は来場者が多く、既存の愛好者以外に対しても日本産酒類の認知度を高める有効な機会となった」との声が聞かれた。

日本から中国への農林水産物・食品の輸出額は増加を続けており、2022年の中国向け輸出額は、日本の農林水産省の発表によると」、国・地域別第1位の2,783億円となっている。その中でもアルコール飲料の輸出額の伸びは特に著しく、2021年の年間輸出額は320億円と、2016年の27億円から10倍以上となっている。糖酒会は全国各地から専門のバイヤーが訪れるとともに、来場者そのものが多いことから、日本産酒類をPRする絶好の機会だ。ジェトロはジャパンパビリオンを継続して出展することで、さらに日本産酒類の市場拡大につなげていく。

(注)全国糖酒商品交易会(糖酒会)は、1955年に開始した中国で歴史のある大型展示会の1つ。中国食品・酒類業界の今後のビジネス展開を占う「バロメーター」となっているとされる。

(内田剛)

(中国、日本)

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