中国最大規模の食品・酒類展示会「糖酒会」が成都市で開催

(中国)

北京発

2022年11月18日

106回全国糖酒商品交易会(糖酒会)が111012日に中国・四川省成都市で開催された(2022年11月18日記事参照)。当初は3月に開催予定だったが、中国国内の新型コロナウイルス感染拡大により延期となっていた。今回は従来と比べて規模を拡大し、成都世紀城新国際会展中心と中国西部国際博覧城の両展示会場を使用した。総面積は26万平方メートル、出展社数は約5,000社に上った。

同交易会は、ワクチン接種回数に対する要求はなかったものの、入場申し込みを行う時点で「33検」(注)の結果提出が義務付けられた。さらに、入場する際は24時間以内のPCR検査陰性証明の提示が求められるなど規制が強化された。その結果、入場者数は延べ20万人と、2021年春の32万人や2019年春の40万人と比べて減少した。

ジェトロは、両会場にジャパンパビリオンを出展した。パビリオン出展は202110月に天津で開催された第105回糖酒会に続き2回目となる。成都世紀城新国際会展中心では、今回新たに「低アルコール飲料」エリアが設けられた。そこでは日本酒などを取り扱う企業16社が出展し、600種類以上の日本産の酒類をバイヤー向けにPRした。会期中にはバイヤー向けの「日本酒知識普及セミナー」を実施したほか、来場できなかったバイヤー向けにライブ配信を通じて出展商品の紹介を行った。出展企業からは、「新型コロナ感染対策は厳格だったが、来場バイヤーの専門性が高く、中国最大規模の食品・酒類展示会において販路拡大ができた」との声が聞かれた。

写真 世紀城ジャパンパビリオンでのライブ配信の様子(ジェトロ撮影)

世紀城ジャパンパビリオンでのライブ配信の様子(ジェトロ撮影)

写真 世紀城会場内での「日本酒知識普及セミナー」の様子(ジェトロ撮影)

世紀城会場内での「日本酒知識普及セミナー」の様子(ジェトロ撮影)

また、中国西部国際博覧城では、日本の調味料、菓子類、麺類などを取り扱う企業10社が出展し、ライブ配信による出展商品の紹介も併せて行った。厳しい入場制限があったにもかかわらず、多くのバイヤーがジャパンパビリオンに訪れ、活発な商談を行った。出展企業からは「来年もぜひ出展したい」など、好意的なコメントが寄せられた。

写真 西部国際博覧城ジャパンパビリオン出展の様子(ジェトロ撮影)

西部国際博覧城ジャパンパビリオン出展の様子(ジェトロ撮影)

このほか、ジェトロは市内「ホテル展」でBtoB商談会を実施した。白酒や黄酒などの中国の伝統的な酒類やワインを取り扱うバイヤーが数多く来場し、800件以上の活発な商談が実施された。

写真 成都市内で開催した「ホテル展」の様子(ジェトロ撮影)

成都市内で開催した「ホテル展」の様子(ジェトロ撮影)

糖酒会は、1955 年に第1回が開催された歴史ある展示会で、現在は中糧集団(COFCO)が主催している。毎年春と秋の年2回の開催となり、春は常に成都市で開催するが、秋は毎年異なる都市で開催される。会期前には市内の複数ホテルを会場に商品展示を行う「ホテル展」が開催され、期間中は全国各地から業界関係者が新しい商品を求めて集まる。そのため酒類業界関係者の社交の場となっており、純粋な商談目的のほか、ネットワーキング、コネクションつくりの場として活用される。中国最大規模の食品・酒類展示会の1つとなっている。

(注)「33検」は、3日間でPCR検査を3回受けること。

(朱琳)

(中国)

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