韓国政府、欧州半導体法案の韓国への影響を分析

(韓国、EU)

ソウル発

2023年04月25日

韓国産業通商資源部は4月19日、EU加盟国の理事会と欧州議会が暫定合意した「欧州半導体法案」(注)に対する、韓国の半導体メーカーへの影響に関する分析結果を発表した。それによると、同部は、(1)法案にはEU域外に対する明示的な差別的待遇条項が含まれていないこと、(2)韓国半導体メーカーの生産拠点がEU域内には設けられていないことにより、直接的な影響は小さい、と結論付けた。

同法案によりEU域内の半導体製造能力が強化された場合、世界の半導体市場の競争がさらに激化する可能性がある半面、韓国国内の素材、半製品、装置などの輸出機会の拡大に資する可能性もあると同部ではみている。その上で、同部では、引き続き半導体業界との意思疎通を通じ、法案成立過程を逐次モニタリングし、必要に応じアウトリーチ活動も行うとしている。

(注)同部によれば、同法案のポイントは、(1)半導体技術の能力強化およびイノベーションの促進のため33億ユーロを投じ、欧州半導体実行計画(Chips for Europe Initiative)を推進すること、(2)EU域内の半導体サプライチェーンの安定化に寄与する生産施設(統合生産設備および開放型ファウンドリー)に対する補助金支給の根拠規定を設けること、(3)EUの半導体サプライチェーンに対するモニタリングおよび危機対応体制が整備されること、の3点に集約される(2023年4月20日記事参照)。

(当間正明)

(韓国、EU)

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