遼寧省、2022年の対内直接投資は大幅増

(中国)

大連発

2023年04月14日

中国・遼寧省統計局の発表によると、2022年の遼寧省の対内直接投資額(実行ベース)は前年比90.5%増の61億6,000万ドルと、新型コロナ禍前の2019年の投資額(33億2,292万ドル)を大きく上回った(添付資料表参照)。このうち、製造業が3.7倍の52億5,000万ドルで、全省の85.3%を占めている。主要都市の大連市と瀋陽市をみると、大連市は16.7%増の20億3,000万ドルで、瀋陽市は4.8倍の39億2,000万ドルの大幅増となった。ほかに鞍山市は2倍の3,683万ドルで、省内3位となった。

2022年の大連市における主な製造業投資案件をみると、4月にトヨタ自動車とパナソニックの共同出資会社(プライムプラネットエナジー&ソリューションズ)の子会社、大連泰星能源が同社の車載電池第3期プロジェクトとして、遼寧省自由貿易試験区大連エリア(保税区)新エネルギー産業園において建設を開始した。2022年9月には、米国のエア・プロダクツが現地政府の長興島経済技術開発区と投資契約を締結した。

また、瀋陽市では2022年6月、BMWグループと同市の華晨汽車集団の合弁企業である華晨宝馬汽車(華晨BMW)の里達工場が稼働している(2022年6月30日記事参照)。2010年以来、BMWの瀋陽での投資額は約830億元に達する。そのほか2022年10月15日には、ヘレウス信越石英半導体生産拠点プロジェクトが拡張建設を開始した。

遼寧省は2023年政府活動報告で、同年の外資誘致目標を前年比約10%増と設定している。2023年1月20日に公布された「遼寧省の経済のさらなる安定化を図る若干の政策措置外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」では、外資誘致に関して、「新規外商投資プロジェクト(5,000万ドル以上)」と「外資拡張プロジェクト(3,000万ドル以上)」について、実際投資額の2%、1,000万元(約1億9,000万円、1元=約19円)を上限として奨励金を支給する支援策を打ち出した。大連市では、クリーンエネルギー、グリーン金融、港湾物流、医療ヘルスケア分野を重点として外資誘致を推進する。ジェトロが4月12日、瀋陽市商務局にヒアリングしたところによると、瀋陽市では新エネルギー、省エネ、先端製造と現代サービス業などの分野での外資誘致に注力するという。

(李穎)

(中国)

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