BMW、瀋陽市に3拠点目の完成車工場を新設

(中国)

大連発

2022年06月30日

BMWグループと華晨汽車集団(遼寧省瀋陽市)の合弁企業である華晨宝馬汽車(華晨BMW)の里達工場が6月23日、正式に稼働した。里達工場は瀋陽市大東工場、鉄西工場に続く華晨BMWの3拠点目の完成車工場となる。投資総額は150億元(約3,000億円、1元=約20円)で、BMWグループの中国における過去最大額の投資プロジェクトとなる。

里達工場は瀋陽市鉄西区に位置し、面積は290万平方メートル。塗装ラインと車体組立ラインおよび大型データセンター、物流センターなど関連施設が既に稼働しており、プレス工程を第2工期で完成させる計画だ。今回新設した里達工場を含め、瀋陽市にある3つの工場の年間生産能力は83万台に達する見込みだ。BMWグループ初となる中型スポーツセダンタイプ電気自動車「i3」は、既に里達工場で生産を開始している。

里達工場は、BMWグループが掲げるiFACTORY戦略(注)に沿って、データ科学、人工知能、シミュレーション技術を幅広く応用する。同工場はBMWグループ初のメタバース(仮想空間)を活用し、仮想環境で工場の設計から稼働シミュレーションを行って建設した。

世界的に電気自動車への転換が加速するなか、BMWグループは2022年、中国市場にiX3、i3、i4、iX、i7の5車種の純電動車を投入、2023年には純電動車を13車種にまで拡大するとしている(「新華網」6月23日)。

(注)iFACTORY戦略とは、BMWグループが掲げるデジタル化を通じた高効率化、グリーン化を図る生産戦略。

(呉暁東)

(中国)

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