オーストラリアやニュージーランドで公用端末でのTikTok利用禁止

(オーストラリア、ニュージーランド)

シドニー発

2023年04月20日

オーストラリア法務省は4月4日、中国系の動画共有アプリTikTokに関して、連邦政府機関の端末での利用を禁止すると発表した。連邦政府のマーク・ドレイファス法務相はプレスリリースにおいて、情報・セキュリティー機関などから助言を受けた上で、TikTokの連邦政府機関の端末での利用禁止に関する指令の発出を承認したと説明した。法務省の指令においては、TikTokアプリについて、利用者情報が広範囲に収集され、オーストラリアの国内法が及ばない外国政府の指令の影響を受ける可能性など、連邦政府機関が重大なセキュリティーやプライバシーのリスクにさらされると指摘している。また、合理的な業務上の理由がない限り、アプリをインストールしないこと、既存のアプリは削除する必要があるとしている。

連邦政府の方針を受けて、各州政府も連邦政府の方針に従うことを表明している。4月5日に首都特別地域、6日にニューサウスウェールズ州とタスマニア州、12日に南オーストラリア州、14日にクイーンズランド州が、政府端末でのTikTok利用禁止を公式プレスリリースで発表した。

ニュージーランド議会も公用端末での利用を禁止

ニュージーランド議会も3月17日、議会の公用端末におけるTikTokの利用の禁止を発表した。同日付のプレスリリースで議会は、サイバーセキュリティー専門家の助言に基づき、議員や関係スタッフに対し議会ネットワークにアクセス可能な公用端末からTikTokのアプリを削除するよう周知した、と公表した。

今回オーストラリア、ニュージーランドによる禁止の発表で、ファイブアイズ(注)の枠組みの5カ国でTikTokの政府端末などでの利用が禁止されたことになる(2023年1月14日記事参照2023年3月1日記事参照)。なお、2月に欧州委員会でも職員の電子端末における一時的な使用禁止が決定されている(2023年2月27日記事参照)。

(注)UKUSA協定締約国である英国、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドによる同協定に基づく機密情報を共有する枠組み。

(青島春枝)

(オーストラリア、ニュージーランド)

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