中国ラオス鉄道、国際旅客輸送を開始

(ラオス、中国)

ビエンチャン発

2023年04月26日

中国ラオス鉄道を有する中国鉄路昆明局集団とラオス中国鉄路は4月13日、中国雲南省・昆明南駅とラオス・ビエンチャン駅を結ぶ1,035キロの区間で国際旅客列車の運行を開始した。中国の昆明南駅からは8時8分(中国時間、注1)に中国鉄路昆明局集団の車両である復興号(D887便)が出発し、ビエンチャン駅に17時38分(ラオス時間)に到着した。一方、ラオスのビエンチャン駅からは8時8分(ラオス時間)にラオス中国鉄路の車両であるランサーン号(D888便)が出発し、昆明南駅に19時38分(中国時間)に到着した。

同区間の所要時間はいずれも片道10時間30分で、両国の国境駅であるモーハン駅(中国側)とボーテン駅(ラオス側)では、駅構内で出入国手続きを行うために、それぞれ1時間30分の停車時間が設けられている。同区間の停車駅は8駅だ(添付資料「表1 ランサーン号(D888便)」「表2 復興号(D887便)」参照)。

当面は1日に昆明南駅発とビエンチャン駅発で1列車ずつ運行され、翌日に折り返し運転行う体制。各列車とも機関車(1両)を含む9両編成で、うち3両(計250座席)を国際旅客専用車両、5両(計468席)を国内旅客専用車両として割り当て、今後は乗客数に応じてその比率を変えるとしている。

中国ラオス鉄道は2021年12月に開通した(2021年12月9日記事参照)が、新型コロナウイルスに関する規制により国際旅客列車は運行されず、ラオスおよび中国の国内区間にそれぞれ限定して運行されていた。中国が2023年1月から主要国際国境をオープンして規制緩和が進む中、国境駅の出入国手続きの準備が整ったことで、国際旅客輸送が開始されるに至った。ラオスでは、本サービスの開始を契機として、外国人旅行者の大幅な増加が期待されている。

なお、ラオスでは3月15日ヵら、モバイルアプリ「LCRチケットアプリ」(注2)からラオス区間の乗車切符を購入できるようになり、現時点ではラオス出発分に限り国際便の切符も購入できるようになった。中国発分については、中国側のモバイルアプリ「12306」を使用する必要がある。

写真 4月13日、ビエンチャン駅に到着した復興号(D887便)(ジェトロ撮影)

4月13日、ビエンチャン駅に到着した復興号(D887便)(ジェトロ撮影)

(注1)中国時間(GMT+8)はラオス時間(GMT+7)より1時間進んでいる。

(注2)同アプリを開発したのは、中国の「12306」を開発した中国鉄道科学研究院グループ。同社は世界各国の鉄道販売プラットフォーム(アプリ)の決済や予約情報などを統合して一括で管理できるシステムを開発しており、ラオス中国鉄路は本システムを採用した最初の鉄道だ。

(山田健一郎、山田浩平)

(ラオス、中国)

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