米アモジー、シンガポールのマルコポーロ・マリンとアンモニア発電システムの船舶利用で提携

(米国、シンガポール)

ヒューストン発

2023年04月19日

輸送部門の脱炭素化を手掛ける米国のアモジー(本社:ニューヨーク州ブルックリン)は4月18日、総合海洋物流企業であるシンガポールのマルコポーロ・マリンと、アモジーが開発するアンモニア発電システム(注1)を、マルコポーロの既存または新造の洋上風力発電作業船に搭載し、ゼロエミッション運航を目指すことで提携したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

米国エネルギー省の報告書によると、世界の洋上風力発電は急速に成長している産業であり、2030年までにその規模が約5倍になると予想されている。2022年末までに、アジアは欧州を抜いて、累積設置数で世界最大の地域洋上風力発電市場になると予想されている。アジアの洋上風力発電容量は、2021年末の27ギガワット(GW)から2031年には109GWとなり、年平均約15%のペースで拡大すると予測されている。

アモジーのセオンフン・ウー最高経営責任者(CEO)は「当社は、より環境に優しく、より持続可能な未来に向けた大胆なビジョンを共有する、尊敬され革新的な海運事業者と協力できることをうれしく思っている」「アジア太平洋地域のクリーン燃料への取り組みに対して、われわれが影響を与えることが重要であり、マルコポーロとのパートナーシップが他の海運事業者にとって強力な手本となることを期待している」と述べた。

アモジーは脱炭素化の取り組みを進めており、2023年1月に、アンモニア燃料から発電するゼロエミッション大型トラック(注2)の試験に成功したと発表し(2023年1月18日記事参照)、3月には、アモジーが開発するアンモニア発電システムの船舶利用やアンモニアのサプライチェーン構築に向けて商船三井と提携したと発表(2023年3月24日記事参照)した。

(注1)液体アンモニアから水素を生成し、電力を生み出すことが可能で、二酸化炭素(CO2)を排出せず、効率的かつ経済的に船舶や自動車、ドローンなどを動かすことができる動力源となる。

(注2)人員、貨物などを含む車両総重量が3万3,001ポンド(約15.0トン)以上の重さの大型トラック。

(沖本憲司)

(米国、シンガポール)

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