中銀が政策金利を9.50%に引き上げ、インフレ・通貨安対策として

(ケニア)

ナイロビ発

2023年04月03日

ケニア金融政策委員会(MPC)は3月29日、政策金利を8.75%から9.50%に引き上げた。2018年3月以来5年ぶりの高水準となる。MPC議長を務めた中央銀行(CBK)のパトリック・ンジョロゲ総裁は「インフレを安定させるために金融政策をさらに引き締める余地があった」とした上で、「MPCは政策措置の影響や世界・国内経済の動向を注意深く監視し、必要に応じて追加の措置を講じる用意がある」と述べた。

2月のインフレ率は9.23%となっており、CBKが目標と定めるインフレ率2.5~7.5%を2022年6月以来9カ月間連続で超えている。干ばつやウクライナ情勢の影響による野菜などの食料価格や燃料価格に加え、電気代も上昇しており、今後もさらなるインフレが予測されている。通貨安も進んでおり、3月には対ドルで130シリングを超えた。外貨準備高も減少を続け、3月現在、6,650億ドル(輸入カバー3.66カ月)となっている。

政策金利上昇に合わせて銀行ローンの上昇も予測されており、企業活動に影響が出るとされる。IMFはケニアのGDPについて、2022年の5.3%の成長から、2023年は緩やかな減速となり、5.1%の成長と予測している(2022年10月19日記事参照)。

(中川翼)

(ケニア)

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