IMF、アフリカの2022年経済見通し発表、GDP成長率を3.6%に下方修正

(アフリカ)

中東アフリカ課

2022年10月19日

IMFは10月14日、「地域経済見通し(サブサハラ・アフリカ)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表し、サブサハラ・アフリカ地域(SSA)の2022年の実質GDP成長率について、4月の前回発表(2022年5月20日記事参照)から0.2ポイント下方修正して3.6%と予測した。2021年の4.7%からは1.1ポイントのマイナスとなった。2023年は3.7%と予測している(添付資料表参照)。

IMFは、ウクライナ情勢の長期化がSSA経済の下振れリスクになるとしている。具体的には、食料・エネルギー価格の高止まりのほか、先進諸国のさらなる金融引き締めや、ドル高圧力に伴う輸入額の増大と外貨準備の減少を挙げている。新型コロナウイルスについても、SSAのワクチン接種率が約2割程度と低いほか、中国など世界的なロックダウンの可能性もまだ排除できないと指摘している。

IMFは、SSA内でも資源集約度などの諸要素によって成長率にばらつきがあるとしている。石油輸出国(Oil Exporters)の成長率は3.3%、その他の資源国(Other Resource-Intensive Countries)は3.1%と予測する一方、非資源国(Non-Resource-Intensive Countries)については4.6%の成長率を見込んでいる。主要国では、ナイジェリア(石油輸出国)や南アフリカ共和国(その他の資源国)がそれぞれ3.2%、2.1%だった一方、コートジボワールやケニアといった非資源国はそれぞれ5.5%、5.3%と、前年からは下がったものの、比較的高い成長率を維持するとみられる。

消費者物価上昇率(年平均)は14.4%と、前回発表(12.2%)からさらに上昇した。特に小麦輸入をロシア・ウクライナ両国に依存するエチオピアで33.6%だったほか、ガーナは27.2%と、前回発表の16.3%から大幅に上昇するとみられる。コートジボワール、ケニア、南アはそれぞれ5.5%、7.4%、6.7%と1桁が見込まれている。

対外債務(GDP比)は24.1%と予測される。国別では、モザンビークが77.9%で最も高かった。そのほか、アンゴラ45.2%、ガーナ39.5%、コートジボワール34.5%、ケニア33.3%になると見込まれる。ナイジェリアは9.1%の1桁を維持するとみられる。

(梶原大夢)

(アフリカ)

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