日本・モロッコ両国の経済関係を強化、カサブランカでビジネスフォーラム開催

(モロッコ、日本)

ラバト発

2023年03月15日

ジェトロは228日、モロッコのカサブランカにおいて、「日・モロッコ ビジネスフォーラム」を開催した。投資・公共政策統合・評価省、モロッコ投資貿易開発庁(AMDIE)、モロッコ経団連(CGEM)との共催で実施し、両国の官民関係者ら約200人が参加した。

開会あいさつで、モフシン・ジャズリ投資・公共政策統合・評価担当特命相は、モロッコが有望な投資先である理由として、モロッコの政治・社会的安定性や投資誘致政策、アフリカ諸国・地域の中で米国や欧州市場に近い地理的優位性、多くの国や地域と締結した自由貿易協定(FTA)の存在、国内の再生可能エネルギー活用割合の高さなどを挙げた。加えて、70社以上の日系企業がモロッコに進出し外資最大の雇用を生み出している一方で、対内直接投資(FDI)全体に日本が占める割合は1%未満とし、今後の投資拡大に期待を示した。在カサブランカ日本国名誉総領事を務めるリタ・ラハルーCGEM副会長は、高速鉄道などの充実したインフラや、タンジェ港というアフリカ最大級のコンテナ港を有していることの強みや、20224月に発効した日本とモロッコ間の投資協定・租税条約に言及して(2022年4月7記事参照)、今後一層、両国間の経済協力が深まることへの期待を述べた。

テーマ別セッションでは、「製造業」「グリーンビジネス」「農業」など、共通の関心が高い分野で、両国を代表する企業15社による講演が行われ、各社の取り組みが紹介された。モロッコでは、自動車部品メーカーなど製造業への注目が高いが、グリーン水素やアンモニアなど次世代エネルギーの開発にも力を入れており、また、農業や淡水化事業などの分野にも大きなチャンスがあふれている。前述のリタ・ラハルー名誉総領事、アティジャリワファ銀行プロジェクトファイナンスディレクターのファトゥミ・スカリ氏、ジェトロ・ラバト事務所の本田雅英所長とのパネルディスカッションのセッションでは、日本と協力の可能性がある分野として、自動車や航空機産業などの製造業のほか、グリーンビジネス、農業、医療および教育といった分野も挙がった。

なお、本フォーラムのオープニングセレモニーでジェトロは、AMDIEおよびCGEMとの貿易投資促進における協力強化を目的とした協力覚書(MoC)に署名した。

写真 モフシン・ジャズリ投資・公共政策統合・評価担当特命相による開会あいさつの様子(ジェトロ撮影)

モフシン・ジャズリ投資・公共政策統合・評価担当特命相による開会あいさつの様子(ジェトロ撮影)

(本田雅英、平岡優)

(モロッコ、日本)

ビジネス短信 ff9e1c9c1d7b241a