英国政府、地方のEV充電網拡大に向けた資金提供を発表

(英国)

ロンドン発

2023年03月07日

英国政府は2月21日、イングランド全土における充電ネットワーク拡大を支援する資金提供を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。約5,600万ポンド(約91億2,800万円、1ポンド=約163円)の公的および民間資金を地方自治体に提供し、短期的には2,400の充電ポイントを設置、長期的にはさらに数万台を設置できるよう支援する。

「地域EV充電インフラ(LEVI)基金」(2022年3月28日記事参照)により、既にパイロットスキームが進んでいた地域のうちのイングランド北部のダラムとノースヨークシャー、ロンドン北部のバーネットの3地域のほか、新たに16の地域を指定し、各地に対して資金提供を行う。2,200万ポンドが政府資金、1,700万ポンドが民間投資、200万ポンドが地方自治体の資金から拠出される。その他、充電設備計画を拡大するためのスキルなどを地方自治体に提供する、800万ポンドの「LEVI ケイパビリティ基金」設立と、既存の「居住者用路上充電設備スキーム(ORCS)」(2021年12月8日付地域・分析レポート参照)への700万ポンドの追加拠出を発表した。

英国の充電設備事業者EVCは2月28日、エネルギー移行投資会社デナム・ キャピタルの1部門であるデナム・サステナブル・インフラストラクチャーが運営するファンドから、最大1億6,500万ポンドの資金を調達したことを発表した。この投資により、EVCは2027年までに英国全土に最大10万台のEV充電ポイントを設置するという目標を加速させるとしている。EVCは、多くのEVユーザーが(航続距離を懸念し)充電設備のある目的地を探していることに着目し、ホスピタリティ施設やレジャー施設、小売店、職場、集合住宅向けに充電設備のリースサービスを提供している。

ゼロエミッションバス普及に向けた投資も発表

さらに、英国政府は3月2日に、公共交通機関の脱炭素化、都市部の大気浄化の計画推進に2,530万ポンドの資金提供を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。北アイルランドのライトバスが製造するゼロエミッションバス117台をヨークシャー、ノーフォーク、ポーツマス、ハンプシャーに導入する。車両は全てバッテリー電気自動車で、運行は英国バス事業者ファーストバスが担う。

(菅野真)

(英国)

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