米エネルギー情報局、2023~2024年のLNG輸出見通しを解説、天然ガス輸出増を牽引

(米国)

ヒューストン発

2023年03月14日

米国エネルギー情報局(EIA)は3月8日、2023年と2024年の液化天然ガス(LNG)の輸出に関する見通し外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますについて解説した。この見通しは、前日の7日にEIAが発表した短期エネルギー見通し外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに基づくもの。EIAによると、米国のLNG輸出量は、2022年に日量平均106億立方フィート(約3億立方メートル)だったが、2023年に同121億立方フィート(前年比14%増)、2024年に同128億立方フィート(前年比6%増)になると予測している。また、LNG輸出の今後の増加が米国の天然ガス輸出増を牽引するとしている。

EIAによると、ロシアから欧州へのパイプライン天然ガス輸出の減少をLNGが代替し続けるため、世界的に需要が高い状態が続き、米国のLNG輸出は2024年末まで増加すると予想している。そのほか、LNG輸出増の主な要因として、米国テキサス州のLNG製造・輸出施設のフリーポートLNGの操業再開(2023年3月9日記事参照)と、2024年末までに現在建設中の新たなLNG輸出プロジェクトが開始する見込みであることを挙げている。

フリーポートLNGは米国に7つあるLNG輸出施設の1つで、ピーク時には日量21億4,000万立方フィートのLNGを生産可能としており、2022年6月8日に同施設で火災が発生して操業停止(2022年6月13日記事参照)する前の2021年1月から2022年5月にかけて同施設からのLNG輸出量は日量平均19億立方フィートだったという。

2023年中にフリーポートLNGの液化設備3系列が全て稼働を再開すれば、米国のLNG輸出量は日量120億立方フィート以上となり、米国は世界最大のLNG輸出国にとどまると予測されている。また、建設中のLNG輸出プロジェクトが2024年12月までに稼働する見込みであることから、米国のLNG輸出量はさらに増加し、日量約140億立方フィートになると予測されている。

(沖本憲司)

(米国)

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