台湾、ホンジュラスとの断交を発表

(台湾、中国、ホンジュラス)

中国北アジア課

2023年03月28日

台湾外交部は3月26日、中米のホンジュラスとの外交関係を終了したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同発表に際し、呉釗燮外交部長は「ホンジュラスは中国政府との国交樹立交渉を行なっており、台湾の主権と尊厳を守るために外交関係を即時終了させることを決定した」と述べた。これにより、台湾と外交関係を持つ国は、1978年の米国との断交以降最も少ない13カ国外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますとなった。

ホンジュラス政府は3月25日に台湾との断交を正式に発表し、「世界に1つの中国が存在することを認め、中国政府が中国全土を代表する唯一の合法的な政府と認識する」と表明した(2023年3月27日記事参照)。同国のイリス・ヒオマラ・カストロ・サルミエント大統領は同発表に先立ち、3月14日には自身のツイッターにおいてエドゥアルド・レイナ外務国際協力相に対し、中国との国交樹立に向けた手続きの開始を指示したと明らかにしていた。

中国外交部は3月26日、秦鋼外交部長が訪中したレイナ外相と会談し、ホンジュラスとの国交樹立文書にサインしたと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

蔡英文総統は3月26日、ホンジュラスとの外交関係断絶に対し、「非常に遺憾だ。台湾は中国と意味のない金銭外交の競争はしない。中国は常にさまざまな方法で台湾の国際的参与を妨害しているが、これによって台湾と中国がお互いに隷属しないという事実は変わらず、共通の理念を持つ国々との協力と連携を深めていく」とコメントした。

台湾大学政治学部の陳世民副教授は、蔡総統が3月29日から米国経由で中米訪問を予定していること、野党・国民党の馬英九前総統が同月27日から訪中を予定していることなどから、「(ホンジュラスとの国交樹立の発表は)中国が一連の訪問にタイミングを合わせたものだろう。中国は台湾の士気を下げ、台湾社会を分断することを意図している」と指摘した(「中央社」2023年3月26日)。

(江田真由美)

(台湾、中国、ホンジュラス)

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