ビジネスフィンランド、支援企業の成果公表、企業活動は米中独で活発

フィンランドの政府系機関ビジネスフィンランド（以下、BF）は2月14日、2022年に同機関から補助金を受け取った企業（以下、支援企業）による研究・開発・イノベーション（RDI）への投資額が前年比で17％増となったと発表した。これは、フィンランドの企業全体の増加率の2倍超とした。BFは、2022年に企業・研究機関に対し8億2,600万ユーロを拠出。うち、5億300万ユーロはイノベーション関連の資金で、その半分以上を中小企業に拠出した。

輸出に関しても、同国の企業全体の22％増と比べ、支援企業は31％増と大幅な伸びをみせた。2019年に補助金を受け取った支援企業の輸出額は3年間で計100億ユーロ増加した。この結果は、BFによる海外進出活動支援と研究・開発・イノベーションへの支援の影響が大きいとした。

2022年の海外進出活動支援数では米国が初めて中国を上回り、BFのニナ・コポラ最高責任者は、約300社が米国市場への進出活動を行ったとコメントした。引き続き強力な市場である中国とドイツが米国に続くかたちだ。

EU統計局（ユーロスタット）によると、フィンランドの2021年の国内企業部門の研究・開発に対する総支出は約52億ユーロで、人口1人当たりでみるとEU加盟国では5番目と高い水準になっている。

（レイナー・あや、半井麻美）