2022年の新車販売台数、過去最高の70万台超え

(マレーシア)

クアラルンプール発

2023年03月02日

マレーシア自動車協会(MAA)は1月19日、2022年の新車販売台数が前年比41.6%増の72万658台となり,過去最高を記録したと発表した。うち、乗用車が41.8%増の64万1,773台、商用車が39.9%増の7万8,885台だった(添付資料表1参照)。好調を記録した背景として、消費者の需要自体の回復、新モデルの投入、売上税の免税措置終了に伴う一時的な駆け込み需要、生産活動の改善、サプライチェーン寸断の緩和といった要素が指摘される。乗用車販売台数をメーカー別にみると、国民車メーカー2社(プロトン、プロドゥア)が6割強を占めた。

国民車メーカーが6割、構造変わらず

2022年の自動車販売台数をメーカー別にみると、第2国民車メーカーのプロドゥアの販売台数は前年比48.2%増の28 万2,019台で過去最高となり、市場シェアの39.1%を占めた(添付資料「表2 主要メーカー(上位10位)別自動車販売台数」、「図 自動車販売台数と各社シェアの推移」参照)。第1国民車メーカーのプロトンは21.8%増の13 万6,026 台で、市場シェアの2位(18.9%)を維持した。プロトンが2020年に発表したスポーツ用多目的車(SUV)の2モデル目となる「X50」の販売が引き続き好調で、同社のSUVカテゴリーの年間販売台数は5万6,389台と最高記録を記録した(「ザ・エッジ」紙2023年1月4日)。国民車メーカー2社で市場シェアの約6割を占めた。

日系メーカーの販売台数をみると、トヨタは前年比39.8%増の10万41台だった。同社のシェアは13.9%となり、2年連続で3位を維持した。4位のホンダは8万290台(51.4%増)、5位の三菱自動車が2万4,017台(37.3%増)といずれも好調だった。

2022年の自動車生産台数は、前年比45.8%増の70万2,275台だった(添付資料表3参照)。うち乗用車は45.6%増の65万190台、商用車は47.9%増の5万2,085台と、ともに2桁増を記録した。

免税措置終了が影響し、2023年は微減の見通し

MAAは、2023年の国内新車販売台数の見通しについて、前年比約1割減の65万台に落ち込むと予測している。主な要因として、自動車の売上税免税措置が2022年6月末で終了し、免税措置の対象となる車両登録も2023年3月31日までとされているためだ(2022年6月22日記事参照)。このほかにも、世界経済の減速や原材料不足の継続などを販売台数減少の原因として挙げている。他方で、2024年から2027年にかけては毎年、前年比1~2%台のペースで増加すると予測した。

(ニサ・モハマド)

(マレーシア)

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