2月の物価上昇率は前月比マイナス0.1%に低下、2年3カ月ぶりの低水準

(チリ)

サンティアゴ発

2023年03月10日

チリ統計局(INE)の3月8日付発表によると、2月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前月比マイナス0.1%となり、2020年11月以来2年3カ月ぶりとなる低水準を記録した(添付資料図参照)。現地エコノミストらの予想では、2月のCPI上昇率は前月比プラス0.2~0.5%とされていた。前年同月比では11.9%となり、9カ月ぶりに12%を下回った。

上昇率を費目別にみると、食品・飲料(酒類を除く)、交通、娯楽・文化が前月比でマイナスとなった(添付資料表参照)。交通は、ドル高・チリ通貨ペソ安が落ち着いてきたことで、航空輸送サービスやガソリン、旅行のパッケージの価格が軒並み低下した。食品・飲料については、鶏肉や果物の価格が下がった。一方で、衣類・靴類は前月比3.9%の上昇となり、女性用の靴や3月からの新学期に向けた学校制服・体操服などの値段が高くなった。

CPIがマイナスだったことで、住宅ローンや健康保険、学校の授業料などの支払いに広く使用されているUF(注)は約2年ぶりに低下し、家計にとっては吉報となった。現地エコノミストらは、高インフレは2023年上半期ごろまで継続する可能性があるが、その後は低下が続くとし、2会合連続で金利の据え置き(2023年1月31日記事参照)を行ったチリ中央銀行が次に利下げを行うのは、2023年半ばごろになると予想している。

(注)消費者物価指数の変動率に応じて調整される価値修正インデックス。Unidad de Fomentoの略。

(岡戸美澪)

(チリ)

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