公共サービス改正法の実施細則、4月4日に発効

(フィリピン)

マニラ発

2023年03月30日

フィリピン国家経済開発庁(NEDA)は3月20日、2022年3月に成立した公共サービス法の改正法PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)実施細則外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公開した(政府通信社2023年3月20日付)。実施細則は4月4日に発効となる。

1936年に成立した公共サービス法は、フィリピン人もしくはフィリピン人が60%以上出資する企業だけに「公益事業」の運営・管理業務への参入を認めていた。しかし、同法では「公益事業」の定義が明確でなかったため、これまで幅広い分野が「公益事業」と見なされ、外資系企業がフィリピンでビジネスを行う上で参入障壁となっていた。2022年3月の改正法によって「公益事業」の定義を明確化するとともに、フィリピンにとって外資参入を期待する分野について外資の出資比率上限を撤廃し、経済活性化につなげることが政府の狙い(2022年3月25日記事参照)。今回発表された実施細則では、公益事業(注)について明確な定義づけを行っている。

公益事業に該当する以下の分野は、外資の出資比率は40%以下に制限される。

  • 電力の送配電
  • 石油・石油製品のパイプライン輸送システム
  • 上下水道
  • 港湾
  • 公共交通車両(内燃機関自動車で一般向けに対価を受け取り、乗客や国内貨物を運ぶサービスを提供)

また、実施細則では、国家安全保障の観点から、外国人もしくは外国企業の支配に帰結する公共サービスへのM&Aや投資に関して、大統領が差し止めなどを行う権限を規定している。

(注)改正法では、外資の出資比率制限対象となる「公益事業(Public Utilities)」を定め、公益事業は「公共サービス(Public Services)」の一部としている。

(吉田暁彦、サントス・ガブリエル)

(フィリピン)

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