英国、ウクライナとのデジタル貿易協定に署名、輸入関税の撤廃措置を延長

(英国、ウクライナ)

ロンドン発

2023年03月23日

英国政府は3月20日、ウクライナとのデジタル貿易協定(DTA)への署名を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。本協定は、2022年11月に原則合意していたもの(2022年8月25日記事2022年12月6日記事参照)。英国政府が両政府関係者や英国を含む国際的な企業関係者を集めてロンドンで開催したイベント「ウクライナ復興会議への道」に合わせて、署名が行われた。

同協定の対象範囲は、デジタル市場、データフロー、消費者および企業の保護、デジタル貿易システム、金融サービス、技術パートナーシップ。この協定により、ウクライナの復興に必要な金融サービスへのアクセスを、国境を越えるデータフローの円滑化によって保証するとしている。また、電子取引や電子署名、電子契約を通して、ウクライナの企業がより効率的に、より低コストで英国と貿易ができるとしている。

さらに、英国は2022年にウクライナからの輸入品の関税を全て撤廃しており(2022年4月28日記事参照)、その方針を2024年3月まで延長すると発表した。

英国歳入関税庁(HMRC)のデータによると、2022年のウクライナからの輸入額は前年比55.2%減の、約3億6,833万ポンド(約597億円、1ポンド=約162円)だった。

なお、英国は2023年6月に「ウクライナ復興会議」を主催する予定だ(2022年7月5日記事参照)。英国が2022年2月24日以降、ウクライナに約束した軍事的、人道的、経済的支援の合計金額は400億ポンド以上とされている。

(レイナー・あや)

(英国、ウクライナ)

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