米エクソン、テキサス州の製油所拡張で燃料供給を強化

(米国)

ヒューストン発

2023年03月17日

米国石油大手エクソンモービル(本社:テキサス州アービング)は3月16日、テキサス州ボーモント製油所の拡張を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。20億ドル規模の本拡張工事は2019年に始まり、日量25万バレルの処理能力が追加され、総処理能力は日量63万バレル以上と米国最大級の製油所になったとしている。

同製油所は、同社がパーミアン盆地で操業するパイプラインと接続されており、同社に大きな戦略的優位性をもたらすとしている。同盆地の原油はボーモント製油所で処理され、同社はディーゼル、ガソリン、航空機燃料などの最終製品を製造している。

同社は、2023年1月31日の2022年通期の決算発表時に、米国パーミアン盆地およびガイアナの2022年の原油・天然ガス生産量が前年比で30%以上増加したとしており(2023年2月1日記事参照)、低価格で信頼性の高いエネルギーへの高まる需要に応えることが可能としている。同盆地はテキサス州西部とニューメキシコ州南東部の一部にまたがる広大な地域で、国内有数のシェールオイルとシェールガスの生産地として知られている。

エクソンモービル・プロダクト・ソリューションズのプレジデントであるカレン・マッキー氏は「当社は、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの最中でも、パンデミック後には消費者需要が回復し、経済回復に新しい生産能力が不可欠となるとの認識からボーモント拡張へのコミットメントを維持してきた」「本拡張により、エネルギー需要が急増している時に、さらに多くの輸送用燃料の生産が可能になる。本拡張は中規模製油所(の新設)と同等規模であり、低価格で信頼性の高いエネルギー製品を社会に提供するという当社の計画の重要部分だ」と述べた。

同社は、米国でエネルギーの安定供給に向けた取り組みを進めており、2022年7月に、米国ネクストディケードと年間100万トンの液化天然ガス(LNG)売買契約を締結(2022年8月2日記事参照)し、同年10月には、カタール国営カタール・エナジーと米国ゴールデンパスのLNG独自販売で合意(2022年10月28日記事参照)を発表した。

(沖本憲司)

(米国)

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