米エクソンとカタール・エナジー、米ゴールデンパスのLNG独自販売で合意

(米国、カタール、フランス)

ヒューストン発

2022年10月28日

米国の石油大手エクソンモービルとカタール国営カタール・エナジーは10月27日、テキサス州サビーンパスにある両社合弁のゴールデンパスLNGターミナルで生産されるLNGを案分し、それぞれ独自に販売することに合意したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

エクソンモービルの子会社であるエクソンモービル・LNG・アジア・パシフィックは、ゴールデンパスのLNG(液化天然ガス)の30%を販売し、残りの70%をカタール・エナジー・トレーディングが販売するとしている。これまでエクソンモービルとカタール・エナジーは、合弁会社オーシャンLNGを通じて、ゴールデンパスのLNGを顧客に販売することとなっていた。

両社は、新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退期にもゴールデンパスへの投資を継続し、拡張プロジェクトを予定どおりに進めている。ゴールデンパスは、年間1,800万トン以上のLNG生産能力を持ち、2024年末までに生産開始の予定だ(「アップストリーム」10月27日)。

エクソンモービルのLNG事業責任者であるピーター・クラーク氏は「われわれは、カタール・エナジーとの数十年にわたる関係を継続し、世界が求める低排出エネルギーの供給に貢献するため、相互の成長機会について協力している」「ゴールデンパスのLNGを単独で販売することにより、当社のグローバルなLNGポートフォリオの価値と柔軟性を高めることができる」と述べた。

エクソンモービルは米国で脱炭素化の取り組みを進めており、5月には同社のワイオミング州内の二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)施設拡張に向け、フランスのテクニップ、米国ソールズベリーと、設計・調達・建設(EPC)の契約締結を発表した(2022年5月13日記事参照)。7月には、米国ネクストディケードと年間100万トンのLNG売買契約の締結(2022年8月2日記事参照)、10月には、米国のエンリンクおよびCFインダストリーズとルイジアナ州のCCSプロジェクトでの提携を発表した(2022年10月13日記事参照)。

(沖本憲司)

(米国、カタール、フランス)

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