VW、2022年末までに全世界で約1万5,000基のEV用急速充電器を設置

(ドイツ、欧州、中国、北米)

ミュンヘン発

2023年02月13日

ドイツ自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)グループは1月27日、パートナー企業と連携し、2022年末までに欧州、中国、北米に約1万5,000基の電気自動車(EV)用急速充電器を整備したことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

VWグループは世界における急速充電インフラの拡充を目指しており、2021年3月に開催した電動化技術のカンファレンス「VWパワーデイ(VW POWER DAY)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」では、2025年までに欧州、中国、北米に最大350キロワット(kW)の高出力の急速充電器を約4万5,000基整備する目標を発表した。具体的には、(1)欧州に1万8,000基、(2)中国に1万7,000基、(3)北米に1万基の急速充電器を設置予定だとした。

2023年末までの目標としては、世界に合計2万5,000基、うち欧州内に1万基の急速充電器を整備することを掲げている。欧州内の整備は、VWグループとドイツ自動車大手のメルセデス・ベンツグループ、BMWグループなどが2017年に設立したジョイントベンチャーのアイオニティ(IONITY)を通じて推進している。また、VWグループは2022年12月に、イタリアの充電施設整備のためにイタリアのエネルギー会社エネルエックス・ウェイ(Enel X Way)との合弁会社エウィバ(Ewiva)を設立している(2023年1月17日記事参照)。そのほかにも、英国石油大手のBPやスペイン電力大手のイベルドローラ(Iberdrola)などとの戦略的な連携も進めており、具体的にはBPとの連携により欧州内に約8,000基を設備する予定だ。

米国では、VWグループが2016年に設立した子会社エレクトリファイ・アメリカ(Electrify America)、中国では、VWグループの中国法人フォルクスワーゲン・グループ・チャイナ(VGC)、中国第一汽車(FAW)、安徽江淮汽車(JAC)などが2019年に設立したジョイントベンチャーのCAMSが、急速充電器の拡充を後押ししている。

なお、連邦ネットワーク庁外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2022年12月1日時点において、ドイツ国内で稼働している公共の充電器は7万6,561基。そのうち、急速充電器は1万2,755基で16.7%を占める。

(クラウディア・フェンデル、宮林和夢)

(ドイツ、欧州、中国、北米)

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