メルセデス、全世界で1万基超のEV用高圧充電器を整備

(ドイツ、北米、イタリア)

ミュンヘン発

2023年01月17日

ドイツ自動車大手のメルセデス・ベンツグループ傘下のメルセデス・ベンツは1月5日、北米、欧州、中国など全世界の主要市場に、1万基を超える電気自動車(EV)用高圧充電器を整備すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

高圧充電器は最大350キロワット(kW)で、充電施設を設置する地域や場所により、1施設当たり4基から最大30基の充電器を備える。メルセデス・ベンツ以外も充電可能だが、メルセデス・ベンツオーナーは充電器を予約できるなど差別化を図る。北米における整備は、米国のMN8エナジー、およびチャージポイント(ChargePoint)と協力する。米国の業界大手であるMN8エナジーは太陽光発電・蓄電池を所有、運営している。チャージポイントはEV向け充電技術を提供する会社で、既にメルセデス・ベンツと協力関係にある。メルセデス・ベンツは両社と協力し、2027年までに北米に400以上の充電施設を新設、2,500基以上の高圧充電器を設ける計画だ。北米における整備に向けた総投資額は10億ユーロ以上になる見込みで、メルセデス・ベンツとMN8がほぼ折半で負担する。

ドイツ自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)グループも2022年12月、イタリアのエネルギー会社エネルエックス・ウェイ(Enel X Way)と、イタリアの充電施設整備のための合弁会社エウィバ(Ewiva)を設立し、最初の充電施設がローマで始動外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしたことを発表した。エウィバは、2023年までにイタリア内で500カ所の充電施設を設置、2025年までに最大350kWの高圧充電器を約3,000基整備する計画だ。VWグループは2025年までに、欧州、中国、米国に約4万5,000基の高圧充電器を整備する目標を掲げている。

さらに、メルセデス・ベンツ、VWは、BMW、フォードなどと2017年に設立したアイオニティ(IONITY)を通じ、欧州内の急速充電施設の整備を進めている(2021年12月28日記事参照)。アイオニティは、2025年までに欧州全体で約7,000基の高圧充電器を整備することを目標としている。2023年1月時点で、アイオニティが欧州内に整備した充電施設は455カ所で、高圧充電器は2,082基となっている。

なお、連邦ネットワーク庁外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2022年11月1日時点で、ドイツ国内で稼働している公共充電器は7万2,091基、うち急速充電器は1万1,862基で16.5%を占める。

(高塚一)

(ドイツ、北米、イタリア)

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