マルコス大統領、ジェトロなど主催の記念フォーラムに登壇、日本企業にさらなる投資呼びかけ

(フィリピン、日本)

アジア大洋州課

2023年02月22日

20226月の就任後初来日したフィリピンのフェルディナンド・マルコス大統領は210日、東京都内で開催されたフィリピン投資誘致フォーラム「PHILIPPINE Business Opportunities Forum」に登壇し、日本の企業に同国への投資を直接訴えかけた。フォーラムはフィリピン政府とジェトロ、日比経済委員会、日本アセアンセンター、フィリピン協会が主催、約640人の日本とフィリピンのビジネス関係者らが参加した。

マルコス大統領は基調講演で日本とフィリピンについて、「日本はフィリピンにとって最大の貿易相手、投資国の1つだ。一方、フィリピンは日本の投資家に対して質の高い労働力、成長の原動力となる安定したマクロ経済環境を提供することができる。互恵的で強固な関係をさらに高めていきたい」と述べ、両国の経済関係の発展に期待を込めた。

その上で大統領は、フィリピンでビジネス展開を検討すべき理由を3つ挙げた。1つ目は安定したマクロ経済環境。積極的な政府支出と旺盛な民間需要に支えられ、2022年の実質GDP成長率が前年比7.6%の高さを記録、新型コロナウイルス禍による影響からの回復を見せていることを強調した。2つ目は投資環境の改善。フィリピン政府が近年、外国投資法や公共サービス法の改正などを通じた外資規制の緩和(2022322日記事2022325日記事参照)、戦略的投資優先計画(SIPP)に基づく投資インセンティブの付与(2022610日記事参照)などを実現していることを紹介した。3つ目は積極的なインフラ投資政策。過去の政権の政策をさらに発展させるかたちで「ビルド・ベター・モア」を掲げ、GDP56%をインフラ関連支出に充てるとした。「官民連携(PPP)によるインフラ案件が200件以上進行しており、民間からの投資を歓迎する」と呼びかけた。

また、フィリピンでの批准が待たれる地域的な包括的経済連携(RCEP)協定については、「現政権はRCEP協定の議会での批准承認を進めており、間もなく実現するだろう」と述べた。

今回のフォーラムには、マルコス大統領のほか、ベンジャミン・ディオクノ財務相、マヌエル・ボノアン公共事業道路相、アルフレド・パスクアル貿易産業相、クリスティーナ・フラスコ観光相、ハイメ・バウティスタ運輸相、アミーナ・パンガンダーマン予算管理相、アルセニオ・バリサカン国家経済開発長官、フェリーペ・メダーリャ中央銀行総裁ら、主要な経済関係閣僚や政府関係者がそろって参加。フィリピンの経済動向やインフラなどの産業動向について講演、パネルディスカッションを行った。

写真 登壇したフェルディナンド・マルコス大統領(ジェトロ撮影)

登壇したフェルディナンド・マルコス大統領(ジェトロ撮影)

(菊池芙美子)

(フィリピン、日本)

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