米財務省、先進エネルギー投資税額控除のガイドライン発表、申請開始は5月末から

(米国)

ニューヨーク発

2023年02月17日

米国の財務省、エネルギー省(DOE)、内国歳入庁は2月13日、先進エネルギー設備投資などに対する税額控除のガイドラインを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2022年8月成立のインフレ削減法(IRA、2022年10月6日付地域・分析レポート参照)による措置で、申請受け付けは5月31日に開始する。

ガイドラインPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、対象となる投資は、太陽光や風力などクリーンエネルギー設備や燃料電池などエネルギー貯蔵設備の製造・リサイクルへの投資、炭素回収などで温室効果ガス排出量を従来から20%以上削減するための投資、リチウムやニッケルなど重要鉱物の加工・精製の処理施設などへの投資に対して、最大で投資費用の30%の税額控除を付与する。IRAでは、こうした先進エネルギー設備投資への税額控除支援の予算として100億ドルを手当てしており、今回は40億ドルを拠出する。そのうち16億ドルは、石炭火力発電所や炭鉱などが閉鎖された地域での投資に優先的に充てるとしている。支援希望者は7月末までにコンセプトペーパーをDOEに提出・申請する必要がある。

また、財務省は、貧困率が高いなど低所得地域での年間1.8ギガワット(GW)以下の小規模風力、太陽光の発電プロジェクトへの設備投資に、最大20%の追加税額控除を付与することも併せて発表した。これに該当する設備投資では、既存分と合わせて費用の最大50%が税額控除として還付される可能性がある。申請プロセスなどの詳細は今後追加で情報提供していくとしている。

DOEでも同日、石炭火力発電所や炭鉱などが閉鎖された地域で、年間総売上高1億ドル未満かつ従業員が500人未満などの中小中堅の製造業企業を対象に、先進エネルギー製品を製造・リサイクルするための施設への投資に対して、総額7億5,000万ドルの補助金支援プログラムの開始を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。米国ではIRAにおけるクリーンエネルギー投資に対する財政支援がいよいよ本格化している状況だ。

(宮野慶太)

(米国)

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