ニュージーランドでヒプキンス新首相が就任、閣僚と政策方針発表

(ニュージーランド)

シドニー発

2023年02月13日

ジャシンダ・アーダーン前首相の辞任に伴い1月25日、前内閣で教育相・新型コロナウイルス対策担当相を務めていたクリス・ヒプキンス氏がニュージーランドの新首相に就任した。ヒプキンス首相は2月1日に新内閣を発足させ、同日付で閣僚リストを発表した(添付資料表参照)。

閣僚リストによると、閣内大臣(首相を含む)20人のうち、16人はアーダーン前首相の下で閣僚を務めていた人物であり、顔ぶれは大きく変更がないものの、閣内の役職については入れ替えが実施された。副首相には、前内閣で社会発展担当相を務めていたカーメル・セプロニ氏が新たに就任し、引き続き社会発展担当相と芸術・文化・文化遺産相を兼任する。財務相は、グラント・ロバートソン氏が続投することとなったが、副首相の任は解かれた。貿易・輸出成長担当相は、引き続きダミエン・オコーナー氏が務める。また、2023年1月末にオークランドで発生した洪水被害に対応するため、マイケル・ウッド運輸相をオークランド担当大臣に併任した。ヒプキンス首相は今回の内閣について、安定と刷新のバランスを取ったと説明した。また、新内閣では、生活費の高騰(2023年2月6日記事参照)、教育、健康、住宅のほか、コミュニティやビジネスの安定性確保、など国民の基本的な生活を支える政策に力を注いでいくと発表した。

ニュージーランド納税者組合のジョルダン・ウィリアム常任理事は「政府が耳を傾け続け、ビジネス界にとって不利な政策がとられない限り、ビジネス界はヒプキンス首相を支持するだろう」と新首相への政権運営の期待を示した(「オーストラリアン」紙電子版2023年1月27日)。

ヒプキンス首相は1月31日、2月初旬に初の外遊先としてオーストラリアを訪問し、同国のアルバニージー首相と会談予定だと発表した。会談では、経済関係のほか、2国間および、アジア太平洋島しょ地域ややインド太平洋地域の安全保障への両国の関与などを意見交換するとした。

(青島春枝)

(ニュージーランド)

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