2022年の山東省GRPは3.9%増、ハイテク製造業が成長

(中国)

青島発

2023年02月13日

中国・山東省統計局の1月20日の発表によると、同省の2022年の域内総生産(GRP)は前年比3.9%増の8兆7,435億元(約166兆1,265億円、1元=約19円)となった(添付資料表参照)。産業別では、第一次産業が前年比4.3%増の6,299億元、第二次産業が4.2%増の3兆5,014億元、第三次産業が3.6%増の4兆6,122億元だった。

第二次産業の一定規模以上の企業による工業生産増加額(付加価値ベース)は前年比5.1%増となった。そのうち、ハイテク製造業は14.4%増で、特にリチウムイオン電池製造が86.9%増、集積回路製造が38.6%増、電子専用材料製造が60.7%増と大きく増加した。また、固定資産投資額は6.1%増となった。業種別では製造業投資が11.2増となり、ハイテク製造業は39.4%増と特に高い伸びを示した。

第三次産業については、2022年1~11月における一定規模以上のサービス業企業の営業収入は前年同期比8.8%増だった。そのうち、ハイテクサービス業は12.0%増となり、特に研究開発・設計サービス業が26.6%増、情報サービス業が14.3%増と大きく増加した。

新型コロナウイルスの感染拡大などの影響を受けたことで、社会消費品小売総額は前年比1.4%減の3兆3,236億2,000万元となった。一方で、インターネット小売額は7.5%増の6,698億7,000万元だった。

貿易総額は前年比13.8%増の3兆3,300億元、うち輸出額は16.2%増の2兆300億元、輸入額は10.3%増の1兆3,000億元となった。貿易総額の上位6カ国・地域は、ASEAN(53.1%増)、米国(9.4%増)、EU(2.5%増)、韓国(3.6%増)、ロシア(59.2%増)、日本(5.8%増)となり、特にASEANやロシアとの貿易が急伸した。また、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の締結国との貿易額は23.9%増の1兆2,700億元となった(「中国山東網」2023年1月17日)。

住民1人当たり可処分所得は、前年比5.2%増の3万7,560元だった。居住地別にみると、都市住民は4.2%増の4万9,050元、農村住民は6.3%増の2万2,110元となった。なお、消費者物価指数(CPI)は1.7%上昇した。

2022年の経済動向について、山東省統計局は「新型コロナウイルスの影響を効果的に克服し、省内経済は全体として持続的な回復を遂げており、質の向上という良好な発展の傾向を示している」と述べた。また、山東省は先進的な製造業の発展に向けた行動計画を発表しており(2022年12月2日記事参照)、産業構造のアップグレード、製造業のデジタル化、グリーン生産システムの構築、省エネ・低炭素化を推進していく方針を示している。

(董玥涵)

(中国)

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