米USTR、医療品の対中追加関税の適用除外を5月15日まで暫定延長、さらなる延長につきパブコメ募集

(米国、中国)

ニューヨーク発

2023年02月03日

米国通商代表部(USTR)は2月2日、1974年通商法301条に基づいて中国原産の輸入品に課している追加関税(301条関税)について、適用除外対象となっている新型コロナウイルス対策用の医療関連製品81品目の除外期限を2月28日から5月15日まで暫定的に延長すると発表した。その間、さらなる除外延長の要否に関してパブリックコメントを募集し、検討を行うとしている。

新型コロナウイルス対策用の医療関連製品への301条関税について、USTRはもともと99品目を適用除外対象としていたが、そのうち18品目は2021年11月30日に期限が切れ、残りの81品目(注1)につき過去数回にわたり延長を行ってきた。直近の延長は2022年11月に発表され、2023年2月末までの3カ月間とされていた(2022年11月25日記事参照)。今回の延長は75日間の暫定的なもので、2月6日から3月7日を期限として募集する、さらなる延長要否のパブリックコメントを検討するための期間と位置付けている。現在301条関税の適用除外対象となっているのは、今回暫定的に延長された医療関連製品81品目のほか、2022年12月に再延長が認められた352品目(注2)のみとなっている。これら352品目の除外期限は、2023年9月30日となっている(2022年12月19日記事参照)。

またUSTRは、301条関税全体の見直しにも着手しており、これに関するパブリックコメント募集を1月17日に締め切ったところだ(2022年10月13日記事参照)。その後、USTRは特段の動きを見せておらず、コメントの内容を精査しているものとみられる。301条関税見直しの最終的な判断は、ジョー・バイデン大統領に委ねられているとされるが、2022年11月に行われた中国の習近平国家主席との初の対面会談以降、関税問題に特化した発言は出ていない(2022年11月15日記事参照)。2023年2月5~6日には、アントニー・ブリンケン国務長官とジャネット・イエレン財務長官が訪中し、習国家主席との会談も予定されているが、有識者の間では両国関係の大きな進展は見込まれておらず、除外対象以外の301条関税は当面維持されるとみられる。

(注1)除外対象の81品目は、2021年11月16日付官報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの付属書(Annex)Bで確認可能。

(注2)品目は、2022年3月28日付官報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの付属書(Annex)で確認可能。

(磯部真一)

(米国、中国)

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