アルジェリアの炭化水素公社ソナトラック、国内外でグリーン水素開発を加速

(アルジェリア、イタリア、南アフリカ共和国)

パリ発

2023年02月08日

アルジェリアの国営炭化水素公社ソナトラックは、国内外でグリーン水素生産に向けた取り組みを進めている。1月25日には、ソナトラック子会社のソナトラック・ラフィネリア・イタリアナと南アフリカ共和国のエネルギー大手サソールが共同で、イタリアのシチリア島でグリーン水素製造計画「ヒブラ(Hybla)」を開始すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。再生可能エネルギーによるグリーン水素を年間7,800トンと、二酸化炭素(CO2)回収技術によるCO2低排出のガスを年間2万5,000トンの生産を計画する。

アルジェリア国内でも、太陽光発電のポテンシャルと欧州向け輸送インフラがあるため、グリーン水素生産に向けた動きがある(2023年2月2日記事参照)。政府は2030年をめどにグリーン水素の大規模な製造販売を開始する目標を掲げており、ソナトラックは事業化に必要な技術導入を狙い、外国企業との提携を相次いで締結している。

2021年7月にイタリアのエネルギー大手ENIとの間で、風力と太陽光の発電に基づくグリーン水素の開発に関するロードマップに合意した。2022年5月には両社でアルジェリア南部でのグリーン水素生産パイロット事業に関する合意書に調印している。

2022年12月20日にはアルジェで開催された「第4回ドイツ・アルジェリア・エネルギー・デー」で、ソナトラックはドイツの天然ガス企業VNGと、グリーン水素やグリーンアンモニアのドイツ向け輸出を目的とした協力に関する合意書を締結した。同合意書の下、水素の生産・貯蔵・輸送・販売までのバリューチェーン全体に関する実現可能性調査(FS)を実施し、2023年中にパイロット事業を開始する予定だ。

(ピエリック・グルニエ)

(アルジェリア、イタリア、南アフリカ共和国)

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