米国の経済見通し、「悪化する」が4割と依然悲観的、シンクタンク調査

(米国)

米州課

2023年02月01日

米国の2022年12月の消費者物価指数(CPI)上昇率は6.5%で、上昇幅は鈍化してきたものの、依然高い水準にある(2023年1月13日記事参照)。経済状況の評価や経済見通しについては、米国内で悲観的な見方が続いていることが米国シンクタンクの調査からわかった。

シンクタンクのピュー・リサーチ・センターは1月31日、経済見通しなどに関する世論調査結果(注)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。それによると、米国の経済を「良い」と評価する割合は21%で、7月調査時(13%)、10月調査時(17%)から回復しているが、2022年1月の調査時(28%)と比較すると、低いままだった。支持政党別では、「良い」とする回答は民主党支持者で31%、共和党支持者で12%と、民主党支持者の方が経済状況を肯定的に評価する割合は高かった。

今後1年の経済状況の見通しについては、「悪化する」が40%を占めた。「現在とほぼ同じ」は36%、「改善する」は23%だった。2022年1月の調査時には「悪化する」は35%で、悲観的見方がやや強まっている。支持政党別でみると、共和党支持者の過半数(56%)が「悪化する」と回答したのに対し、民主党支持者では25%にとどまった。「改善する」との回答は民主党支持者では34%を占めたが、共和党支持者ではわずか13%だ。

懸念事項について、「非常に懸念している」という割合が高かったのは、「食品、消費財の価格」(75%)、「ガソリン、エネルギーの価格」(60%)、「住居費」(60%)だった。支持政党別では、共和党支持者で、「食品、消費財の価格」(81%)、「ガソリン、エネルギーの価格」(72%)が高かった。民主党支持者では、「食品、消費財の価格」(69%)、「住居費」(65%)が高かった。

今後1年で食品、消費財の価格が「悪化する」という回答は54%と過半を占め、住宅価格については半数近く(49%)が「悪化する」と回答した。

また、この本調査では、ジョー・バイデン大統領への評価として「評価する」は38%と4割を下回り、「評価しない」が6割(60%)に達した。

(注)実施時期は1月18~24日、回答者は全米の成人5,152人。

(松岡智恵子)

(米国)

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