12月の米消費者物価、前年同月比6.5%上昇で6カ月連続鈍化、コア指数は5.7%で3カ月連続鈍化

(米国)

ニューヨーク発

2023年01月13日

米国労働省が1月12日に発表した12月の消費者物価指数(CPI)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は前年同月比6.5%上昇となり、前月の7.1%から大幅に減速し、民間予想の6.5%と一致した(添付資料図参照)。変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数も同5.7%上昇で前月の6.0%から鈍化、これも民間予想と一致した。前月比でCPIは0.1%低下(前月0.1%上昇)、コア指数は0.3%上昇(0.2%上昇)し、ともに民間予想と一致した。

品目別に前年同月比でみると、ガソリンは1.5%低下(前月10.1%上昇)とマイナスに転じ、前月比でも9.4%低下で、2カ月連続のマイナスとなった(添付資料表参照)。食料品は10.4%上昇(10.6%上昇)と伸びが4カ月連続で鈍化し、内訳でも、家庭用食品、外食ともに伸びが鈍化した。財は2.1%上昇(3.7%上昇)と伸びは4カ月連続で鈍化し、前月比では0.3%低下と3カ月連続でマイナスだった。うち、中古車は8.8%低下(3.3%低下)と2カ月連続でマイナスだった。新車は5.9%上昇と前月(7.2%上昇)から鈍化するとともに、前月比では0.1%低下とマイナスに転じた。一方で、サービスは7.0%上昇(6.8%上昇)と伸びが加速し、物価全体の約3割のウエートを占める住居費が7.5%(7.1%上昇)と引き続き伸びが加速している。そのほか、輸送サービスも14.6%上昇と前月(14.2%上昇)から伸びが加速している。

CPIの前年同月比上昇率の鈍化は6カ月連続で、前月に引き続きエネルギーと財価格が鈍化する一方で、サービス価格、特にウエートの高い住居費の伸びが引き続き加速し、前者を相殺する構造は変わっていないが、12月は特にエネルギーの下げ幅が大きくなり、前月比では11月以上の下落幅だった。今後は、2023年内の上昇率鈍化が期待される住宅費と、賃金上昇の影響を受けやすく鈍化の見通しがついていない住宅費以外のサービス価格の動向が焦点となりそうだ(2023年1月10日付地域・分析レポート参照)。

今回の結果を受け、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が政策金利先物取引価格を基に算出する予測では、政策金利であるフェデラル・ファンド(FF)金利の引き上げ幅について、1月31日から2月1日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)で、前回会合の0.5ポイント引き上げからさらに縮小し、通常の引き上げ幅となる0.25ポイントの引き上げが決定されるとの確率が約95%にまで高まっている。

(宮野慶太)

(米国)

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