国際果実・野菜関連見本市フルーツロジスティカで日本企業が活発な商談を展開
(ドイツ、日本)
ベルリン発
2023年02月21日
ドイツ・ベルリンで2月8~10日、国際果実・野菜関連見本市「フルーツロジスティカ2023(Fruit Logistica)」が開催された。日本を含む92カ国から2,610社が出展し、来場者は140カ国以上から6万3,470人を記録した。
日本の出展企業各社は、ドイツをはじめ欧州、南米など、広範囲の各国企業と活発な商談を展開した。各社とも新規を含め多数の商談が成立した模様で、リアル展示会で「果実」を手にしたかたちだ。
日本からの出展各社、欧州展開に向け手応え
2016年以来、フルーツロジスティカに7年ぶりに出展したミヨシグループ(本社:東京都世田谷区)は、通常の栄養繁殖株(注)からの栽培と比較して病気のリスクが低い種子から栽培できるイチゴ「はるひ」の種を売り込んだ。同社の三好正一社長は「欧州各国や南米、アフリカなど広範囲のお客様と新規の商談が成立した。帰国したら相当忙しくなる。来年も出展したい」と、久々の出展の中で大きな手応えを感じた様子だ。
アストラ(本社:福島県)は、2022年(2022年4月19日記事参照)に続き3回目の出展で、2023年も果物の皮むき器を展示。同社の国際営業部長は「昨年以降、ドイツはじめ欧州各国に代理店ができるなど、海外での販売実績が少しずつ増えている。当社の皮むき器の技術力は他社からも注目されている」と今後への期待と自信をのぞかせた。
日本青果物輸出促進協議会のブースで共同出展するGLO-berry Japan(本社:東京都豊島区)は、ドイツを中心にオランダやスイスのレストラン向けに、そのままデザートとして使えるレベルの高級果物の輸出に取り組む。同社の伊東良久代表取締役は、高級イチゴ「あまりん」やサツマイモ「シルクスイート」を手に、「質の良さとそれに見合った価格について理解いただける」として、欧州の富裕層を主なターゲットにビジネスを拡大したいとの考えを示した。
日系大手海運会社ONE(Ocean Network Express)ドイツ支店の伊藤盛康・欧州アフリカ日系セールス部長は「ここ2年ほど、新型コロナウイルス感染拡大やウクライナ戦争の影響でサプライチェーンに前例のない混乱が見られ、深刻な混雑が発生していたが、状況は消費者の需要減少などもあり、運賃・スケジュールともに徐々に落ち着いてきており、お客様にとって利用しやすい環境になっている」として、今後の海上輸送の利用増に期待を込めた。
このほか、日本企業では、トキタ種苗(本社:埼玉県)は「海外初展開となる栗かぼちゃ『Zuccuri』」(時田巌社長談)やカリフラワー「Fioretto」、タキイ種苗(本社:京都府)はリコピンの豊富なトマト「Phytorich」や病気に強いタマネギなどをアピールした。
(注)植物体の一部を植え付けることにより、新たな株を育てる方法。
(和爾俊樹)
(ドイツ、日本)
ビジネス短信 1c2e6470dab455f5