2023年経済成長見通しを据え置き

(シンガポール)

シンガポール発

2023年02月14日

シンガポール貿易産業省(MTI)は2月13日、2022年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率(経済成長率)が前年同期比2.1%、2022年通年は前年比3.6%となったと発表した(MTIプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。2023年1月に発表した速報値(2022年第4四半期:2.2%、2022年通年:3.8%)から下方に修正した(2023年1月5日記事参照)。1月に発表された速報値は主に2022年10~11月のデータに基づいていた。

2023年通年のGDP成長率見通しについては、2022年11月に発表した「0.5%~2.5%」を維持した(2022年11月25日記事参照)。同省は、「2022年11月以降、シンガポールの外需見通しはわずかに改善した。中国の新型コロナウイルス感染症に関する規制が予想以上に早く緩和されたことに伴い、中国の成長が持ち直すと予測されている」などとしたうえで、「中国の国境規制が予想以上に早く緩和されたことを受け、国際航空旅客や外国人観光旅客の回復が加速すると予想されることから、シンガポール経済の航空・観光関連産業の成長見通しは改善する」との見方を示した。

他方で、「世界経済の全体的な減速を考慮すると、その他の外需指向型産業の成長見通しは依然として弱い」とし、「例えば、半導体部門は世界的な半導体需要の低迷による負の影響、また精密エンジニアリング群は半導体メーカーの設備投資抑制の影響を受ける」との見通しを示した。また、「卸売り、水運、金融・保険は、主要海外経済の減速により成長が鈍化する」とした。

2023年の財貿易総額の予測も据え置き

一方、MTI管轄下のシンガポール企業庁(Enterprise SG)は同日、2023年通年の財貿易総額ならびに非石油部門の地場輸出額(NODX、注)見通しを「前年比2.0%減~0.0%」と発表した(Enterprise SGメディアリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。2022年11月に発表した見通しを維持した(2022年11月25日記事参照)。

(注)自国生産による財輸出で、再輸出を除く。

(朝倉啓介)

(シンガポール)

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