2022年の経済成長率、第4四半期2.2%、通年3.8%
(シンガポール)
シンガポール発
2023年01月05日
シンガポール貿易産業省(MTI)は1月3日、2022年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率(経済成長率)が速報値(注)で前年同期比2.2%だったと発表した。第3四半期(7~9月)の同4.2%から成長の勢いが鈍化した。季節調整済み前期比は0.2%で、2期連続でプラス成長となった。第3四半期は1.1%だった。
経済活動別に見ると、製造業が前年同期比マイナス3.0%で、第3四半期(1.4%)から一転してマイナスとなった。MTIは「精密エンジニアリングや輸送エンジニアリングなどの生産は拡大したが、エレクトロニクス、化学、バイオメディカルの生産が縮小した」と説明した。建設業は10.4%と第3四半期(7.8%)から加速した。サービス業は前年同期比4.1%(第3四半期は5.8%)だった。
2022年通年の実質GDP成長率は前年比3.8%(2021年は7.6%)だった。産業別では、製造業が2.6%(同13.2%)だったほか、建設業は6.5%(20.1%)、サービス業は5.0%(5.6%)だった。
リー・シェンロン首相は12月31日、新年に向けたメッセージで、経済見通しについても言及し、「国際的な見通しは依然として問題を抱えている。ロシアとウクライナの紛争は続いており、良い結果が見えない。米中間の緊張は持続する可能性が高い。中国は新型コロナウイルス感染症からどれだけ早く立ち直れるかはまだわからないが、米国とEUはリセッション(景気後退)に陥る可能性が十分にあり得る。わが国の経済は影響を受けるだろう」と述べた。また、MTIが2023年の実質GDP成長率を0.5~2.5%の低成長を予想していることに触れた上で(2022年11月25日記事参照)、「われわれはこの先の不確実性に備えなければならない」とした。
(注)速報値は主に2022年10~11月の統計に基づく。
(朝倉啓介)
(シンガポール)
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