春節休暇の国内旅行者数が延べ3億人超え、新型コロナ前の約9割まで回復

(中国)

北京発

2023年01月31日

中国文化観光部は1月27日、春節(旧正月)休暇期間(注1)の国内旅行者数が前年比23.1%増の延べ3億800万人となり、2019年の88.6%の水準に回復したと発表した。同期間の国内観光収入(売り上げに相当)は前年比30.0%増の3,758億4,300万元(約7兆1,410億1,700万円、1元=約19円)で2019年の73.1%の水準だった。

発表によると、多くの主要観光地は入場料の無料化や割引を適用し、また消費券(クーポン)を発行するなどの策も講じた。観光地のうち、1,281カ所が無料開放され、全国の観光地総数の9.0%を占めた。うち、最上級の5Aレベル(注2)の観光地は62カ所だった。

また、北京市、四川省成都市、陝西省西安市、重慶市などの観光地では夜間の遊覧船、ショー、ライトアップなどの取り組みで夜間の消費を促進した。243カ所ある国家級夜間文化観光消費エリアの旅行者数は延べ5,212万2,000人となり、毎晩のエリアごとの平均旅行者数は延べ3万600人となった。

国内旅行が活況となる中、出入境者も大幅に増加した。国家移民管理局は1月28日、国内各地の移民管理機関が春節休暇期間に審査した出入境者は前年比約2.2倍の延べ287万7,000人、1日当たりでは延べ41万人となり、うち出境者数は約2.2倍の延べ144万3,000人だったと明らかにした(「新華網」1月28日)。

なお、国外旅行に関しては、新型コロナウイルス防疫規制の緩和により1月8日から中国公民の国外旅行関連手続きが再開された(2023年1月4日記事参照)ほか、2月6日からはタイなど一部の国に対する中国公民の団体旅行が再開されることも発表されている2023年1月31日記事参照

(注1)2023年の中国本土の春節休暇は1月21日から27日まで。

(注2)中国の観光地は、関連法に基づき、観光地の景色、品質、サービス、観光者の反応などの総合的な評価により、5A、4A、3A、2A、1Aという5つのレベルに分けられている。

(趙薇)

(中国)

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