投資委員会の新投資奨励策が1月3日から有効に

(タイ)

バンコク発

2023年01月11日

タイ投資委員会(BOI)が公布した新投資奨励策PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)が1月3日から有効になった。2022年11月に同奨励策のコンセプトや方針(2022年11月11日記事参照)や概略PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、12月には業種別恩典PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)が公表された。

この投資奨励策はタイが目指すサプライチェーン強靭(きょうじん)化に貢献する新産業の育成や、既存産業を高度化、国際ビジネスの拠点と地域の貿易投資のゲートウエーとしてのタイの機能強化を通じて「新しい経済」を構築する。

新投資奨励策の主なポイントは次のとおり。

(1)奨励対象業種を7分類から10分類に改定

(2)新しい投資奨励措置として次の業種を奨励対象に追加

  • 電気自動車(EV)関連業種: 燃料電池自動車(FCEV)の製造、燃料電池システムの部品の製造、バッテリー交換ステーションサービスなど
  • 新エネ関連業種: 再生可能エネルギーを使用した水から水素の製造、グリーンアンモニア関連製品の生産、炭化水素または化石燃料から水素の生産、水素ベースの電気・蒸気の発電・発生を含む
  • 未来食品関連業種: 新規食品(ノベルフード)、有機食品、機能性表示食品の製造など
  • 航空宇宙関連業種: メンテナンス用機器や地上支援機材の製造、人工衛星用機械部品・電子部品の製造、人工衛星用システム、地上局用システムや打ち上げ用・打ち上げ制御用システムの設計、開発など

(3)恩典の手厚さを示す等級として、従来最上位だった「A1(法人税8年免除)」の上に新たに「A1+(法人税10~13年免除)」を追加。サプライチェーンの川上に位置する産業、もしくはバイオテクノロジーなど、政府がターゲットとするテクノロジーを開発する事業で、高度技術/イノベーションを使用し、教育機関または研究機関と提携し、タイに技術移転を行う事業が対象

(4)製造に加えて、研究開発センターや地域統括本部の設置に対する恩典措置の導入

(5)産業高度化プログラムとして、自動化・ロボットなどのスマート化、代替エネルギー、環境負荷の軽減などのサステナブル化への恩典措置の改定

これからタイへの投資を検討する企業は、今回発表された新投資奨励措置の確認が必要となる。

(亀田周、今泉美里)

(タイ)

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