1月から最低賃金を6.3%引き上げ

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2023年01月11日

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は12月19日、法定最低賃金の引き上げに関する連邦法(2022年12月19日付連邦法第522-FZ号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に署名した。これにより、1月1日から月額1万6,242ルーブル(約3万860円、1ルーブル=約1.9円)と、前年の1万5,279ルーブルに比べ6.3%引き上げられた。

ロシアの最低賃金は、労働に対して不当な賃金への規制に加え、一時的に労働能力が欠如した場合や妊娠、出産などに際しての社会保障の支給額を決定する際にも利用される。算出方法については、2021年から前年の1人当たり所得の中央値(注)の42%とすることを定め(2021年1月8日記事参照)、法定最低賃金は労働者の最低生活費と前年の最低賃金を下回ってはならないと規定している。最低賃金は連邦構成体ごとでも決めるが、連邦最低賃金を下回ることは許されていない。例えば、モスクワの最低賃金は2万4,801ルーブル(1月1日時点)、サンクトペテルブルクでは2万3,500ルーブル(同)といったように、地域によって差がある。

マクシム・オレシキン経済担当大統領補佐官は「実質賃金の伸びは政府や地方自治体の活動を評価する重要な指標の1つ」とした上で、最低賃金の引き上げが「賃金水準の底上げにつながる」と評価した。

(注)国民の所得金額を小さい(または大きい)順に並べた際に真ん中に位置する金額

(後藤大輝)

(ロシア)

ビジネス短信 b58c3721e750c321