中銀が0.25ポイント追加利上げで3.10%に、8カ月連続引き上げ

(オーストラリア)

シドニー発

2023年01月11日

オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は12月6日、政策金利を0.25ポイント引き上げ、3.10%とすることを決定した。2022年5月から8カ月連続の利上げ(2022年11月22日記事参照)で、政策金利は2012年12月(3.00%)を上回り、過去10年間で最高となった。

5月以降連続して利上げを実施したことについて、RBAは、現在の高いインフレ水準は経済を損ない、国民の暮らしに悪影響を及ぼすため、一定期間内で是正する必要があるとして、「インフレを目標圏内(2~3%)に一定の時期を経て近づけることを優先している」と説明した。オーストラリアでは2022年3四半期(7~9月)の消費者物価指数(CPI)上昇率が前年同期比7.3%となり(2022年11月15日記事参照)、インフレが続いている。RBAは今後さらなる政策金利の引き上げを行う可能性を示唆したが、既定の方針ではなく、世界経済や家計支出、賃金、物価動向などの状況を注視しながら検討していくとした。

また、RBAは今後のインフレ見通しについて、2022年第4四半期(10~12月)には前年同期比で約8%まで上昇するが、世界的な供給制約の緩和や、一部の資源価格の下落と需要の鈍化によって、2023年は低下すると説明した。

(青島春枝)

(オーストラリア)

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