富山県、栃木県、新潟県の知事団がベトナム訪問、関係深化へ

(ベトナム、日本)

ハノイ発

2023年01月24日

ビジネスを目的とした日本とベトナムの往来が戻りつつあり、日本の地方自治体の動きも活発化している。12月後半から1月前半にかけて、日本の3県(富山県、栃木県、新潟県)の知事が地元企業とともに、ベトナムの首都ハノイを訪れた。日本の地方自治体のベトナム訪問目的は多様化しており(2020年3月30日地域分析レポート参照)、今回の活動内容も、富山県は県内企業の投資、栃木県は観光や商品輸出、新潟県は人材や地域間交流など多岐にわたる。

新田八朗富山県知事を団長とする富山県ベトナム経済訪問団は121922日、ハノイとホーチミンを訪問。19日にはベトナム計画投資省(MPI)で、グエン・チー・ズン計画投資相と会談した。会談では、MPI内に富山県内企業のベトナム進出などをサポートする「富山デスク」を設置することで一致した。MPI内に日本の地方自治体が専用窓口を設けるのは、愛知県、新潟県、埼玉県に続いて4番目となる見込みだ。今回の会談を踏まえ、富山県とMPI2016年に交わした経済交流に関する覚書(MOU)を強化する新たなMOUを締結した。

122022日には、福田富一栃木県知事をはじめとする栃木県ベトナム・タイ訪問団がハノイを訪問した。21日には首相府でファム・ミン・チン首相と会談し、経済や観光面などでの今後の交流について意見交換を行った。訪問団はハノイ市内の商業施設やホテルでイベントを開催するなど、栃木県の農産品・食品や観光の魅力発信に注力して活動した。

直近では、花角英世新潟県知事をはじめとする新潟県ベトナム・シンガポール訪問団が11112日、ハノイを訪れた。12日にはハノイでグエン・スアン・フック国家主席(当時、注)と会談。花角知事は特に経済分野に注力した地方自治体間の交流も活発化していきたいと話した。会談では、技能実習生のキャリア形成など人的交流についても意見交換し、訪問団はMPIや人材送り出し機関なども訪問した。

各自治体の活動内容は上記だけにとどまらず、これまでの取り組みや交流関係を深化しようとする様子がうかがえる。2023年は日本とベトナムの外交関係樹立50周年を迎え、さまざまなイベントが行われる予定だ。これを機会に、日本の地方自治体とベトナムのさらなる活発な交流が期待される

写真 富山県とベトナム計画投資省がMOUを締結(富山県提供)

富山県とベトナム計画投資省がMOUを締結(富山県提供)

写真 とちぎ魅力発信レセプションの様子(栃木県提供)

とちぎ魅力発信レセプションの様子(栃木県提供)

写真 ゴックMPI副大臣との会談(新潟県提供)

ゴックMPI副大臣との会談(新潟県提供)

(注)フック氏は1月17日に国家主席を辞任することが決まった(2023年1月20日記事参照)

(蛇見拓斗)

(ベトナム、日本)

ビジネス短信 975151f85aa3b2c1